九州交響楽団 第59回北九州定期演奏会

北九州芸術劇場で行われた九州交響楽団の北九州定期演奏会に行ってきました。

曲目は下記の通り。

スメタナ/交響詩「ヴルタヴァ(モルダウ)」
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
(休憩)
チャイコフスキー/交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

アンコール:
ドヴォルザーク/ユーモレスク 変ト長調 作品101 第7番

会場は北九州芸術劇場の大ホール。(ここ
公式サイトの写真を見ると、パッと見豪華に見えるんですけど(照明のせいか…)、行ってみたら思っていたよりずっと小さくて。
2階席での鑑賞でしたが、狭い分オケが近くて、指揮者の小林研一郎さんの熱気もひしひしと伝わってきました。

今回の目的はチャイコフスキーのピアノ協奏曲でしたが、前半はのってなかったかなあ。。スロースターター?
休憩を挟んでの後半は、引き締まっていてとても良かったです。

指揮者の小林研一郎さんは「コバケン」という愛称で知られる方で、その熱演ぶりも今回の演奏会の見所でした。
チャイコフスキーの第6番「悲愴」は、演奏前にコバケンさんの解説が入り、精神的に苦しんでいた時期もあるチャイコフスキーの人生について短く触れられました。
「悲愴」は初めて聴いたのですが、1楽章は交響曲1曲分を聴いたようなボリューム感のある楽章で、1楽章だけでだいぶお腹いっぱいになりました。
4分の5拍子の2楽章は、優雅さよりも不安が勝る不思議な楽章。メロディに身を委ねたくても身体がそれを拒否してしまう。聴いていて最後まで心が落ち着かない楽章でした。
3楽章、4楽章は、人生の集大成といったところ。

アンコールでドヴォルザークの『ユーモレスク』が演奏されたのですが、この曲まで含めて、今回の演奏会には「人生」というテーマが込められていたようです。
『ユーモレスク』の前にもコバケンさんの解説が入りました。誕生から旅立ちまで人の一生がこの短い4分間で語られている、というコバケンさん自身の解釈による演奏だったわけですが、その解釈通りの演奏に涙がこぼれそうでした。

作者の意図も解釈も、いろいろあるし、最終的には聴いた人自身の気持ち次第だとは思いますけど、コバケンさんの解説はとても良かったです。この作品自体はとても有名な曲で、私ももちろん聴いたことはありましたけど(「どこかで聴いたことある」程度の)、こういう解釈があるのかと。新しい感動で胸がいっぱいでした。

昨日の演奏会では、私の真後ろの席に、小学生くらい?の女の子とその母親が座っていました。
『ユーモレスク』の解説中に、コバケンさんがヴァイオリンにちょこっとメロディを奏でさせるんですけど、そのメロディを女の子が口ずさんでね。2人の会話から女の子が楽しんでいるのがすごく伝わってきて、嬉しくなりました。
お客さんの反応は公演回数の少ない地方公演ならではといった感じ。アクロス福岡での定期演奏会とは違う空気が新鮮でした。

音楽も「人生」ですねえ。作者がいて、演奏者がいて、観客がいて。多くの人生が集まって初めて、音楽はそこに存在するわけで。
未来を見つめるより振り返ることのほうが多い最近は、何を見ても読んでも聴いても、そこに「人生」というテーマを置いてしまう私です^^;
そんな私にぴったりの演奏会でした。

※  ※  ※

九州交響楽団 第59回北九州定期演奏会
2015年9月5日(土)/北九州芸術劇場大ホール
指揮:小林研一郎
ピアノ:小林亜矢乃
コンサートマスター:近藤薫

2 comments to “九州交響楽団 第59回北九州定期演奏会”
  1. 今日も聴きに出かけたけど、本当に聴きごたえのある演奏でした。北九州芸術劇場では九響以外にも何度か聴いているけど、響きはドライで音がブレンドされる前に届くといった感じでしたね。その分生の音の迫力や凄みを感じる事が出来て、これもまた良い経験だと思います。

    今度の定期演奏会も楽しみになって来ました♪

    • >Masahikoさん
      遅くなってしまい、すみません!
      北九州芸術劇場はオケと近くて、舞台の空気が客席まで伝わってきて、アクロスとはまた違った楽しい演奏会でした!また行ってみたいです^_^
      コバケンさんも魅力的な方ですね!

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