アジアフォーカス・福岡国際映画祭2017(1)~タイ編

もう年が明けてしまいましたが、昨年の秋(9月15日~24日)に開催されたアジアフォーカス・福岡国際映画祭の感想を。。
忙しさを言い訳に伸ばし伸ばしにしてましたが、2010年に同映画祭に参加するようになってから毎年欠かさず書いてきたものなので、書かなければ・・・!
というわけで、ざっくりとですが、作品の概要と感想の記録です。

2017年の鑑賞本数は全部で18本でした。
特集地域は「タイ」ということで、私の鑑賞も自ずとタイ映画が多くなりましたね。
まずはタイ映画から。

※  ※  ※

( )内の★は個人的満足度。5点満点です。

『噂の男』(★★★★)
噂の男_ポスター
英題:The Master
2014年/タイ/80分
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
キャスト:ペンエーグ・ラッタナルアーン、ソンヨット・スックマークアナン 他

かつてバンコクのマーケットの一角に実在した、海賊ビデオ店の「店長」を巡る証言を集めたドキュメンタリー。
当時のタイでは入手困難だった古今東西のアート系作品を海賊版で取り揃え、シネフィルたちの欲求を満たしたビデオ店。常連客には現在活躍する映画監督らもおり、彼らが当時の話を揚揚と語る姿が印象的でした。
興味深かったのは、ビデオテープ全盛期の時代、海賊版でありながら字幕やパッケージも自分たちで作成していたという話。パッケージ裏の解説まで書いていたとか。そのオリジナル性が、お店が人気となった一因でもあったようです。(違法にオリジナルも何もないですが)
時は流れ、映画の鑑賞媒体もビデオからDVDへ、そしてインターネットの登場により、店はその役割(?)を終えます。
ずっと同じ調子でインタビューが続くので後半ややダレてちょっとウトウトしてしまいましたが、タイの映画鑑賞の歴史を垣間見ることができた、貴重な経験となりました。

『頭脳ゲーム』(★★★★)
頭脳ゲーム_ポスター
英題:Bad Genius
2017年/タイ/130分
監督:ナタウット・プーンピリヤ
キャスト:チュティモン・ジャンジャルーンスックジン、イッサヤー・ホースワン、ティーラドン・スパパンピンヨー 他

成績優秀な女子高生が友人からカンニングへの協力を頼まれたことをきっかけに、カンニングビジネスにのめりこんでいく様を描いた、タイ国内でもヒットした話題作です。
特に、国境を越えて繰り広げられる後半の展開はスリルもあり、楽しめました。(突っ込みどころはいろいろあるけどね、笑)
舞台となる高校はいわゆるお金持ち学校。ヒロインや、彼女と心を通わす男子生徒は貧しいながらも成績優秀なため奨学金によって通っている生徒です。そういった若者達が才能とお金の間で揺れ動く姿は切なくもありました。カンニングビジネスが生まれる背景には、こうした貧富の格差も一つの要因としてあるんでしょうね。
ヒロインの父親の、娘を見守る厳しくも優しい眼差しが救いです。

『サンティとウィーナー』(★★★★)
サンティとウィーナー_ポスター
英題:Santi-Vina
1954年/タイ/117分
監督:タウィー・ナ・バーンチャーン
キャスト:プーンパン・ランクワン、レワディー・スィーウィライ 他

タイ初の35mmカラー長編劇映画という記念碑的作品。2014年にネガフィルムが発見され、4Kデジタル技術を駆使し1700時間かけて修復、2016年に完成したという完全版を、今回福岡で見ることができました。貴重&貴重ですねー。
内容は、タイトルにもなっているサンティとウィーナー、二人の若者の恋物語です。
盲目のため周囲から差別を受けるサンティは大人しい男の子。そんな彼をいつも助けるのが、近所に住む溌溂な少女ウィーナー。幼いころから仲の良い二人でしたが、貧困ゆえにサンティは和尚のもとに預けられることになります。それでも二人は心を通わせ続け、大人になり結婚も考えるようになりますが・・・

タイの文化に仏教が深く根付いていることもわかる作品となっています。サンティとウィーナーの物語もシンプルで心に響く内容となっていて、半世紀以上も前の作品ですが楽しめました。
タイの映画で初めて海外でも高い評価を受けた作品だそうです。

『ガス・ステーション』(★★)
ガス・ステーション_ポスター
英題:A Gas Station
2016年/タイ/110分
監督:タンワリン・スカピシット
キャスト:プラマー・イマノータイ、アーパー・パーウィライ、ペンパック・シリクン 他

西部劇風の荒涼とした大地に佇むガソリンスタンドを舞台に、スタンドを経営する一人の男性と彼に恋心を抱く女性たちの日々を描いた作品。
正直、楽しむところを見つけられませんでした。物語よりも、演出や脚本に満足できなかったんだと思います。
というわけで、特に語ることもないので感想終わり。

『見えざる者』(?)
見えざる者_ポスター
英題:The Unseeable
2006年/タイ/97分
監督:ウィシット・サーサナティアン
キャスト:スポーンティップ・チュアンラック、タッサワン・セーニーウォン、シラパン・ワタナチンダー 他

行方知れずになった夫を捜し歩き、とある屋敷を訪れたひとりの身重の女性に起こる数々の奇妙な体験を描いたホラー映画。
舞台は1930年代で、全体的にクラシカルな雰囲気の漂う作品でした。
もともとホラーは苦手なのと、鑑賞したのが映画祭後半で疲れも溜まっていた時期だったので、中盤寝てしまいました。。ですので、評価は?にしているのですが、目が覚めた終盤に明かされた事実に感動し、印象に残った作品の一つとなっています。寝てしまったことを後悔してます。もう一度見たい作品ですね。。

『マリー・イズ・ハッピー』(?)
マリー・イズ・ハッピー_ポスター
英題:Mary is Happy, Mary is Happy
2013年/タイ/125分
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
キャスト:パッチャヤー・プーンピリア、チョンニカーン・ネートジュイ 他
監督は『噂の男』のタムロンラタナリット監督。実在するひとりの女の子が発した410件のツイートから発想された作品。卒業を控えた女子高生のゆるゆるとした残りの高校生活の日々を描きます。
ヒロインが書いたツイート内容がスクリーンにも表示され、物語が進んでいきます。多感な若者の「痛さ」が見所でもあるんですが、それがどうも受け入れられず、楽しめませんでした。
この作品も途中で寝てしまったので、評価はなしということで・・・。

※  ※  ※

挨拶が遅くなりましたが、改めてあけましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。
思うように更新できず、今年もどうなるか先は見えませんが、自分のペースで続けていくつもりです。
2018年もよろしくお願いいたします。

ブログはしばらくアジアフォーカスの感想が続きます。

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