卒業

先日、朝の番組で「卒業ソングランキング」なるものをやっていました。
そういえば、3月は卒業の時期なんですよね。異動のことは考えていましたが、卒業という言葉は思いもしませんでした。
私の中で「卒業」は遠い存在になっているようです。

先の卒業ソングランキング。1位はレミオロメンの『3月9日』でした。
確かテレビドラマで使われていて人気が出た曲ですよね。それは知っているのですが、ちゃんと聴いたことはなくて「最近の若者はレミオロメンなのかあ」としみじみしてしまいました。

いまや「レミオロメン」でさえ遠い存在です。
『粉雪』や『太陽の下』を繰り返し聴いていた時期もあったのに、いつの間にか流行りの曲というか、JPOPを聴かなくなってしまいました(たま~に昔好きだった曲を聴くくらい)。

『粉雪』等を聴いていた頃は、音楽に対して貪欲でした。必死だったと言ってもいいかもしれません。FMの前にかじりついていました。
誰の曲でもいい、とにかく自分の琴線に触れる曲を見つけたい、そんな感じでした。
ただ、それだけではなくて、当時好きだった人が音楽好きだったというのもあります…。
彼とはお互いを傷付け合っただけだったかもしれない、そんな思いがあって。気が付いたら『粉雪』を進んで聴くことはできなくなっていました。

今だって音楽は大好きですが、あの頃のように情熱を持って聴くことはもうないかもしれません。
寂しいような、でもこれが大人になった証、そんな気もします。大人というか、ただ年を重ねただけですけど。
情熱はこうやって失われていくのでしょうか。いつの間にか、じわじわと、消えていくんですね。

卒業ソングランキングに戻りますが、2位は海援隊の『贈る言葉』、3位は荒井(松任谷)由実『卒業写真』でした。この2曲は定番中の定番。
私の卒業ソングもずばり『卒業写真』です。中学の卒業式に卒業生みんなで歌いました。
「柳の下を」という歌詞の柳の“ぎ”の箇所で高音になるんですが、練習の間ずっと、そこを巡って一部の女子が揉めていた記憶があります(どんな風に声を裏返させるか、云々)。
今思い出すと笑っちゃいますが、そんなことで主張しあう年頃でした。

しかし、この曲を聴いて一番に思い出すのはそのエピソードではなく、やはり当時好きだった人のことです。大学に入り初めての彼氏ができるまで、ずっと好きでした。永遠の片思い。

“あなたは私の 青春そのもの”

今でも夢の中に出てくる彼は、私にとっての「あなた」です。

『卒業写真』
作詞・作曲/荒井由実

悲しいことがあると 開く皮の表紙
卒業写真のあの人は やさしい目をしてる

町で見かけたとき 何も言えなかった
卒業写真の面影が そのままだったから

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くで叱って

話しかけるように 揺れる柳の下を
通った道さえ今はもう 電車から見るだけ

あの頃の生き方を あなたは忘れないで
あなたは私の 青春そのもの

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くで叱って
あなたは私の 青春そのもの

2 comments to “卒業”
  1. 卒業ソングって、いつしか定番として固定されるようになりましたがユーミンの「卒業写真」は正しく定番中の定番すね。
    ふと、思うのは、こうしたスタンダードナンバーが日本の音楽史にもキチンとあるという事でしょか。10年ぐらい前に「米国には子どもから老人までが一緒に歌えるスタンダードがあるが、日本にはそうした下地が無い」という音楽評論家の言葉があって、当事、そう感じたものでした。しかし、年月を経てみると、日本にもスタンダードナンバーが登場していますよね。まして、「卒業写真」などは私の年齢にしても古い曲で、如何に世代を超えて支持され続けているんだろうって思います。(優秀な楽曲すねぇ。云われてみると、メロディも歌詞も、世界観みたいなものがありそう。)
    永遠の片思い? 今にして思うと学生時代の卒業式って、そうした分岐点だから感慨深さが残っているのかも知れませんね。(あと、卒業ソングのネタ、自分のブログでも後ほどマネさせていただきますね!)

  2. >メロンぱんちさん
    記事に書いたランキングは10~20代に聞いたもののようですが、『贈る言葉』や『卒業写真』が上位に入っていて正直ホッとしました(レミオロメン1位には焦りました…)。
    しかし、この先これらがずっと歌い継がれていくのかと考えると、少し不安かも…。
    今の若い子たちはこのメロディラインに古さを感じたりするのではないかと思うんですよね。
    この2曲を答えたのはほとんど20代だろうと思うんです(レミオロメンも自身の卒業ソングに『贈る言葉』を挙げていました)。これらを卒業ソングとするのは私らの世代が最後になるのでは、と街角インタビューを見ながら感じました。
    『卒業写真』の歌詞は卒業後の話で、実際にこの歌詞の真の意味を知るのは卒業して何年も経ってからなんですよね。だからこそ、何もわからず歌っていた頃が感慨深くなってしまうのかもしれません。
    『贈る言葉』は人の在り方を説いているというか、少し説教臭さも感じるのですが、今はこのような曲にはなかなか出会えないような気がします。
    卒業という人生の大きな区切り目だからこそ、このような曲を歌うべきなのでは、と思ったりもします。
    “青春”や“淡い恋”といった個人的な感情に頼るものではなく、より大きな視点に立った歌を、と。
    …などと言いながら、自分の卒業ソングはあくまでも『卒業写真』だったりするんですけどね(^_^;。
    やはり自分の経験と重なるものには勝てないのかなあ…。
    メロンぱんちさんの卒業ソング語り、楽しみにしてます♪

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