『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』

※ほんのちょっぴりネタバレあり。前2作を観ていない方にはわからないかもしれない点もあり。

公開が始まったばかりなので、レイトショーでも8割くらいは埋まっていました。
原作は読んだことはなく、タイトルしか知らずに第1章を見たのは昨年の夏(もう一年経ったのか)。「おお、これは面白い!」と年が明けて2章を観賞。今回も楽しみにしていました。

感想を一言で言うと、面白かったです。面白かった……けど、何だろう、回を重ねるごとに作りが雑になっているように感じたのは気のせいでしょうか。特に今回は「無理矢理まとめました」感がありました。
壮大なストーリーを持て余した、という感じです。原作がどれほど描いているのかわからないですが、いろんなところを端折っているんだろうなあ、と思ってしまいました。説明不足な箇所が幾つも見受けられました。
演出もイマイチ。音楽の使い方とか場面の転換とか、あらゆるところで粗さが目立っていました。面白く感じたのは原作が面白いからなんだと思います(ストーリーは面白いです、とても。原作読みたくなりました)。

実写ならではの見所、例えばキャストや歌「ハローハロー、エブリバディ♪by春波夫」などもありましたけど、キャストはちょい役に個性的な俳優や芸人を使いすぎていて、そのインパクトが強く、主役の一人であるカンナ(新人の平愛梨さん)の影が薄くなってしまった印象を持ちました。
そこまでやらなくても、と思うくらい、いろんな方が出演していました。しかも「私出てますよ~」ってオーラが出まくりで、余計なところで気を取られてしまった……。
これは演じていた方が悪いのではなく、完全に配役ミスだと思います。こんな小さなところにケチつける私もあれですけど、こういうところまで気を配って欲しいと思いました。
制作側からすれば、これが“サービス”なんでしょうけど。

内容については、3部作という語るにはあまりにも長すぎる映画ですし、やめておきます。
……本当は書いていたのですが、ちょっとまとめきれないので諦めました(苦笑)。
ただ、とても興味深かったとだけ言っておきます。特に、「ともだち」が「ともだち」になった理由についてはいろいろと考えさせられるところがありました。「ともだち」の正体もなかなか衝撃的でした、いろんな意味で。
第2章までのワクワク感が最終章では消えちゃったのと、最後は尻すぼみになり、ご都合主義にもなってしまったのが残念かな。
エンターテイメントとしては十分合格点だと思います。ただそれも、すべて基となった原作のお陰なんだろうと思います。こんな話どうやって作るんだろう。以前NHKの『プロフェッショナル』で原作者の浦沢直樹さん特集をやっていましたが、もう一度見たいなあ。

ここで見所を簡単に。。

一番の見所は佐々木蔵之介さんの演技です。
彼は好きな俳優さんの一人ですが、まさかあんな演技ができるとは思っていなかったので、とても驚きました。数分間でしたが、「ともだち」の闇の部分をその数分で見事に演じきっていました。素晴らしいの一言です。あまりにも素晴らしかったので、私も彼と同じように目を見開いて驚いてしまったくらい(笑)。

あと、第2章でもずば抜けていた小池栄子さん(役がハマりすぎて恐いくらいです)や古田新太さん(胡散臭さがたまりません)あたりもとても良かったです。

それから山寺宏一さんも。
彼が出演していたことはさっき(ブログを書くために)公式サイトを確認した時に初めて知ったほど(一緒に観に行った人も気付いていなかったんですよ!)、完全に自分を消して役を演じきっていました。変装をしていたのも気付かなかった原因かとは思いますが、観ながらずっと「この俳優さん、誰だろう」と思っていました(笑)。
山寺さんは個性があるようでないんですね。モノマネでもいろんな人物を演じていますけど、そういった経験が関係あるのかな。声優出身ということもあるのか。本業の俳優さんとは違う味がありました。
でも、私は声優さんとしての彼のほうが好きです(笑)。

他には、ちょい役で出ていた高嶋政伸さんも良かったです。ただ、ちょい役なのにやりすぎでした(笑)。演技そのものは好きだったんですけど(今も脳裏にこびりついている)。
豊川悦司さんは「やっぱトヨエツ、かっこいいよなー」。それだけ、うん、それがすべて。

俳優さんはそれぞれ良い演技をされていたんですけどね、なにせ配役が。。

映画化するには大きすぎる物語なのかな、と思いました。
この作品を6時間(もしくは2時間でもいい)で上手にまとめられる人はいるんだろうか。
原作を読んでいないのに、映画の限界を感じさせてしまうような作品でした。

原作どうしようかな、読みたいなあ。
でも、最近『鋼の錬金術師』を1巻から23巻まで大人買いしたばかりだから、買えないんですよね(苦笑)。うーん、ブックオフで立ち読みかネカフェか……。

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