読売日響名曲シリーズ(福岡)

昨日12月8日、「読売日本交響楽団名曲シリーズ」を聴きに行ってきました。
ちょうど私の誕生日の演奏会、しかも指揮者の下野達也は鹿児島出身!
「これは何かの縁に違いない!」と勝手に決めつけ(笑)、誕生日祝いも兼ねて(笑)、一人寂しく出かけてきました(泣)。

何ヶ月も前から行こうと決めていたものの、少し迷いもあって(演奏曲目がモーツァルトとブルックナーというあまり興味のない作曲家だったので……)、チケット購入はギリギリになってしまいました。そのためA席もS席もいい席が残っておらず、それならば安いほうでとA席を購入。二階のやや右よりの席でした。

まずはモーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』から「序曲」。
一般的にも超がつくほど有名な曲。ですが、この曲ってとても短いんですね。きちんと聴いたことがなかったので知りませんでした。

たった一口の美味な前菜に物足りなさとメインに向けての期待を感じながらの二曲目は、同じモーツァルト作曲の『ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491』。
ゲストピアノ奏者の河村尚子さんが、光沢のある深いグリーンのドレスを着て登場。ああ、やっぱりドレスを着た女性が登場すると華やかです! パンフによると美人さんのようでしたが、残念ながら二階席からは(ましてや矯正視力0.8以下の私には)お顔を拝見することはできず。姿勢の美しい演奏姿を遠くから眺めました。

この曲は初めて聴く曲。
知らない曲でも、聴いていくうちにある程度先の展開が読めるというか、次にくる音や旋律を何となくですが予想して構えることができたりしますが、この曲は先が全く読めませんでした。旋律に簡単に身を委ねられないというか、委ねようと思ったら突然予想もしない音が舞い込んでくるので、戸惑いながらの鑑賞でした。
ピアノとオケが交互に同じモチーフを演奏する箇所が印象に残りました(メロディは覚えてないけど)。絡み合うようで絡み合わない。一体化したと思ったら、すぐに離れる。
そんなピアノとオケのすれ違いに体も不安を覚えるというか、モーツァルトって勝手に癒し系だと思っていましたけど(無知ですみません)、癒しどころかかき乱されてしまいました。

実は途中、ほんの少し眠気が催してきて気を抜いてしまった瞬間があったんです。ちょっとボーッとしてしまって。
すると、あっという間に音楽に置いて行かれてしまったんです。この「置いて行かれた」という感覚は、まあ「聴き逃した」と言ってもいいのでしょうが、とても焦ってしまいました。こんな感覚は初めてだったので驚きました。
舞台と距離が離れているせいもあってか、余計に演奏が遠ざかっていくようで、追いつくのにも(気持ちの問題でしかありませんが)時間がかかってしまいました。
演奏が終わると、ちょっとホッとするほど力も入っていました。

アンコールには河村さんがブラームスのピアノ小品集の1曲を演奏してくださいました。
とても不思議な曲でした。会場の雰囲気も戸惑いのようなものが感じられました(たぶん気のせいだけど)。

前半はこれで終了。
休憩時間にはいつものように、ホール内にの休憩場所でホットコーヒーを飲みました。ここのコーヒーが好きなんです。
コーヒーは基本ブラックですが、ここではミルクと砂糖を入れて甘めで飲んでます。
イスは用意されておらず立ち飲みなのですが、立って飲むコーヒーもなかなか美味しいです。窓際のテーブルで夜の公園を眺めながら一息。。

コーヒーを飲んでお手洗いに行くと、15分の休憩時間もあっという間に終ってしまいます。

後半はブルックナー『交響曲第4番「ロマンティック」』。
こちらも初めての曲でした。

第1楽章は弦楽器のトレモロ(小刻みに音を出す手法のことらしい)が低音で響く中、ホルンが高らかに鳴り響きます。
異世界への誘いとでもいうか、美しくも底に何かおぞましいものを抱えたようなメロディに、不安を抱きながらも誘われ、この曲の世界へと吸い込まれていきます。
この楽章は割と明るいイメージ。気がついたら、辺りの見えない霧の中に迷い込んでいた、というのが第2楽章。

第2楽章はヴァイオリンとヴィオラから始まります。ピチカートの何か不吉なものを予感させるような響きは霧に包まれた泉を連想させます。
霧に包まれた森の中に迷い込み、近くには大きさのわからない湖があって、とりあえず道のない道を歩いているような感じです。
途中にはフルートなどの鳥のさえずりが聴こえたりして、光が差し込んだかのように思うのですが、それも一瞬の間、すぐにまた霧に包まれてしまいます。
ずっとその繰り返し。

歩き疲れた後の第3楽章は、ホルンのファンファーレのような重奏から始まります。
まるで彷徨う森から抜け出すことができたのを祝ってくれているようでした。前の2つの楽章とは異なった雰囲気の楽章で、とにかく明るくて軽やか。これでもかと気分は高揚していきます。パレードでもしているかのような気分です。
中間部のスローパートは、のんびりとした雰囲気でちょっと一休み。
そして再び前半のパートがきて、再び高揚は頂点に達し、そのまま派手に締められます。

第4楽章、フィナーレ。
実は第3楽章があまりにも派手だったために、第3楽章がフィナーレだと思っていた私(汗)。第3楽章が終っても静かだったのでちょっと焦りました。パンフレットは目を通したつもりだったのですが、第4楽章の文字は頭に入ってなかったようです。。
そんな第4楽章は、3楽章とは打って変わって、第1楽章と同じようにトレモロが鳴り始めて、再び異世界に引き戻されていきます。
すべての楽器が一体となってホールを突き破ってしまうかのような力強さを見せたかと思うと、突然静かになったり、この曲全体に言える事なのですが、とにかく強弱と変化が激しくて気が抜けない曲でした。

二階席で良かったと思ったのは、その力強い部分でした。
下野さんと団員の皆さんが一緒になって唸るように演奏する様は、まるで波のようでした。曲のダイナミックさがより際立つように感じました。
二階席のしかも端のほうでしたし、音の響きはどうなんだろうと思っていたのですが、今回は視覚的な楽しみを発見することができました。コンサートの楽しみ方をまた一つ知る事ができて、驚きと喜びで満たされました。

終盤に再びトレモロがあるのですが、今度は「誘い」ではなく、「解放」されていくような音色。最後は気持ちよく高揚したまま締めくくられました。

今回の鑑賞はとにかくダイナミックさ(指揮も演奏もとにかく迫力満点)に圧倒されました。
聴きながら感じたのは、もしかしてアクロスって小さいの? ということです。まだ初心者の中の初心者なので、詳しい事はわからないのですが……。
ホールに収まりきらないような力強い音色でしたので(響き方が尋常じゃなかった!)、これはもっと大きなホールで聴けばまた違う感動が得られたのかなあ、なんて思いました。

私のクラシック音楽の聴き方は楽曲中心なので、楽団や指揮者、演奏者ごとに聴き比べるようなことはあまりしません。特にオーケストラは楽器もたくさんあるので聴き分けることはできませんし……(独奏はさすがに違いがわかりますが)。
今回の読売日本交響楽団の演奏は、弦楽器の重奏がとても印象に残ったのですが、こういう風に聴き比べていけばいいのかなあと思ったりもしたところです。

とりあえず今のところ、九州交響楽団と読売日本交響楽団を聴けました。
今回いただいたチラシの中に気になるコンサートを見つけたので、行ってみたいと思います。

今回のように知らない曲だとメロディを追うのに精一杯になってしまうので、次回は事前勉強をしてから聴きに行ったほうがいいかもしれません。
今回でコンサートの楽しみ方がはっきりと見えてきましたが、まだまだ模索していきたいです。

アクロス福岡入り口にあったクリスマスツリー。てっぺんの飾りを写し損ねました。。

6 comments to “読売日響名曲シリーズ(福岡)”
  1. 昨日は体調不良で聴きに行けなかったけど、下野氏のブルックナー、とても素敵な演奏だったようですね^o^ 音楽の広がり方が独特で不思議な感覚ではなかったですか??
    素敵な誕生日となったようですね、おめでとうございます

  2. はじめまして。
    にほんブログ村よりたどって来ました。
    まずは、お誕生日おめでとうございます。
    実り多い一年となりますようにお祈りしています。
    さて、「読売日本交響楽団名曲シリーズ」レビュー拝見いたしました。
    映画音楽なんかでもクラシックがBGMに流れていると、
    選曲によって印象がずいぶん変わりますよね。
    ふだんクラシックに触れる機会が少ないので、
    大変興味深く拝見いたしました。
    さて2、実は私ですね、、、。
    ネットラジオっぽいことをやっていまして、
    この流れで書き込みするとまるでスパムコメントみたいですが、
    福岡の情報なんかも少しお話しさせて頂いていますので、
    作業用BGM代わりに、お聴きいただければ幸いに存じます。
    追記:植物園の写真いいですね。携帯でもキレイに撮れるんだな~

  3. >Masahikoさん
    ありがとうございます。
    体調のほうはその後どうでしょうか?ご自愛くださいね!
    ブルックナーは初めてだったのですが、今まで聴いたことのない世界観に驚きました!
    2月にある九響の定期演奏会では『交響曲第6番』が演奏されるようなので、行ってみようかと思っています(^^)

  4. >シモPさん
    はじめまして。ありがとうございます。
    ネットラジオをされているのですね。ぜひお伺いしたいと思います。
    写真もお褒め頂き嬉しいです。ありがとうございます(^^)

  5. 冒頭のホルンのソロから他では味わえない独特の世界が広がりますからね。1楽章や4楽章での金管の重厚な響きにはびっくりしませんでしたか??
    ホールに関してはやはり小さいな?と感じることがありますね・・・2年前のゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートでストラヴィンスキーの「火の鳥」を聴いたときに、響きがあまりにも窮屈だと感じましたね。サンパレスのホールだったら違ってたかもしれないですね。いろんなホールで聴いているわけではないけど、熊本県立劇場は響きにゆとりを感じますね。あと北九州の厚生年金会館もいい感じでした。
    2月に九響が演奏する交響曲第6番は4番と同じく明るく伸びやかな曲想だけど、よりリズムのはっきりとした無骨な所もあって聴いてて楽しいですよ。

  6. >Masahikoさん
    そうですね。金管の響きは迫力があって、すごかったです。
    音がずれたような不安定な旋律は不思議な感じでした。
    サンパレスホールというホールもあるんですね。
    調べてみたら、歌手の方のコンサートがよく行われているみたいですね~。
    行ける範囲でいろいろ行ってみたいです。
    ブルックナーの第6番も楽しみです(^^)

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