第78回全日本フィギュアスケート選手権大会 男子 雑感

書く気が失せる前に書いておこう(笑)。
男子の放映は真面目に見ました。しかし、生放送で試合の最初から最後まで見ていたグランプリシリーズと比べると、録画による演技の切り張りは試合の緊張感や醍醐味が薄れますね。。途中でだれそうでした。
実際の競技時間も生放送できない時間ではないのだから、生でやってくれよー。

昨日のFSの放送を中心に思ったことを。

でもまずは地元福岡の南里くんから。
SPは放送されたのにFSは放送されず。。ネットで「とても感動した!!」との現地情報を聞いて楽しみにしていたのに~!!
SPはサン=サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーソ』。
曲も衣装もプログラムも上品で、南里くんにぴったりでした。ミスはあったんですけど、とても素敵なプログラム。気持ちもこもっていて良かった。
FSの『アランフェス協奏曲』も楽しみにしていたのに、本当に残念。
生観戦された方によると、所属企業のふくや(明太子で有名な)の社員の皆さんがふくやのはっぴを着て応援されていたのだとか!!
他競技では五輪メダリストでさえスポンサー探しに苦労している中、フィギュアなんていうマイナー競技に手を差し伸べてくれる企業もあるんですね(涙)。
ふくや買います、うん。みなさんもお正月にどうぞお一つ!

というわけで、演技は観られなくて残念でしたけど、5位入賞おめでとう!!

昨日の放送は最終グループのみだったのですが、SPは放送されなかったものの最終グループに入ったもう一人の福岡人がいました。
福岡大学の郡山智之くんです。
青のグラデーションが綺麗な衣装で『リバーダンス』。
『リバーダンス』と言えば、本田くんが2003年の四大陸選手権で4回転を3回成功させたあのリバーダンスじゃないですか!!
どんな演技を見せてくれるのかとわくわくしていたら……うーん、なかなかスピードが上がらずジャンプも不調のよう。大丈夫かと思いながら見ていたら、実況の西岡アナが「見せ場です!」と力説していたストレートラインステップに突入。

おおっ!!

「このステップのために力を温存していたのか!」と思っちゃうほど(笑)急に勢いを増し、華麗なトゥステップの連続。
久しぶりに見ました。こんな軽やかにリンクを駆け抜けるステップ。
新採点法になってから(特にここ数年)は左右にエッジを使い分け、かつ上半身を大きく使うクネクネぐゎんぐゎんステップが主流で、かつてはスピードと軽快さで観客を魅了していたステップの醍醐味がすっかり失われていたので、ステップに関してはいつも消化不良だったんですよね。
ああ、ありがとう、郡山くん。私はこんなステップが見たかったのさ!!(私だけじゃないはずだ!)
うん、ジャンプのミスはいいよ。のろのろスケーティングも……今回は大目に見ようじゃないか!
これでスケート全体にもスピードが増せば、もっと素敵なプログラムになる。これからもがんばれ~! 応援するぞ!!

……と、もしかして福岡も結構フィギュアが盛んなのかな?
よく知らないのですが、南里くんは世界選手権にも出場した実力のある選手ですし、最終グループに入る力はあるんですよね。最終グループに福岡人二人、なんて贅沢な願望かな。
これからも福岡(もっと言えば九州)からいい選手が出てくるといいなあ。

続いては今季シニア参戦したばかりという町田樹(“たつき”と読むそうです)くん。
ウィキペディアによると、大ちゃんに憧れて同じ高校、同じ大学に進んだそうです(そのわりには髪型が手抜きっぽいぞ!笑)。
FSは映画『カサブランカ』の曲にのって。。
『カサブランカ』って、なんて渋い選択! 若いファンはわからないんじゃないかとちょっと思ったり。
主人公リック(映画ではボギーでしたね)を演じきる、とのことでしたが、映画は一応見たことはあるもののすっかり忘れてしまっているので、よくわかりませんでした。
苦悩する姿は振り付けで十分に表現できていたように思います。
しかし、何よりすごいのが、このメンバーの中で4位に入ったということ!!
ソチ五輪を目指しているとのことなので、技術と表現力にさらに磨きをかけて頑張って欲しいです。

昨季躍進した無良くん。今季は椎間板ヘルニアでグランプリシリーズにも参戦していなかったんですね。。
今大会も無理をしての出場だったようで、FSは本当に辛そうでした。
得意のトリプルアクセルはシングルになってしまうし、最後まで歯を食いしばっての演技。本当にお疲れさま、という感じです。
けがをきちんと治して、来季はまた力強い無良くんを見せて欲しい!!

さて、実力からして五輪出場はほぼ確定のお三方(一人は内定済み)。

今季はいまいちな演技が続いていた小塚くん。
GPシリーズの後アメリカに渡り、振り付け担当の佐藤有香さんと共にプログラムの手直しをしたということでした。
以前より力強さが増したのはそのせい? SPもFSも完璧というわけではありませんでしたが、見応えのあるプログラムになってきているように思いました。
フィギュアファンの間ではちょっと不評な今季プログラムですが、私は結構好きなので、この両方のギタープロをとことん突き詰めて一皮剥けて欲しいと思っていたりします。
演技終了後に見せる「あー、もうっ!」のような気迫と情熱が演技中にもほとばしるようになれば、きっともっと感動的な演技になるように思うんだけどなあ。
五輪出場がさらなる成長への一歩となることを願います。

すでに内定済みの織田くん。
FSではやっと4回転跳んでくれましたね(笑)。失敗しましたが、その後見事に立て直し、演技中もとても良い笑顔が見られたので(特にストレートラインステップ前に一瞬カメラに向けた笑顔がとても良かった!)、満足でした!

織田くんは見るたびに可愛くなっていっているように思うんですけど(笑)、ジュニア選手のような子供らしい可愛さというわけでもなく、でも大人の可愛さでもない、織田くんだけの魅力である可愛さですね。うまく言えないのですが、超個性的な選手の多い男子シングルの中でも結構目立ちますよね、なんかいろんな意味で(笑)。
いやいや、茶化しているわけではありません。そんな織田くんが好きなんです。

ただ、今季はSPが気になります! 織田くんの弱点が目立ってしまう。
あの『死の舞踏』はどうしても疾走感が求められる曲調なので、余計に織田くんのスピードのなさが際立ってしまうというか。五輪にふさわしい曲だとは思うのですが(勢いがあっていいですよね)、なんとかならないだろうか。。モロゾフ、頼むぜ!

そして大ちゃん。
とりあえず、優勝おめでとう!!(本田くんもおめでとう、ジャンプの修正よろしくお願いしますよ!)
昨日のFS『道』は、今まで以上に細部に気を配っていたように感じました。
読売新聞でかつて「(高橋は)どの角度から撮っても様になる」とのカメラマンの言葉が掲載されていましたが、今回それを強く感じました。

それにしても、本当に映画を観ているような気分になるプログラムですね。
私は映画を観ていないので明確なストーリーが目の前に表れることはないのですが、映画を観ている時の感覚というのが湧き起こるんですよね。特に終盤のエンディングに向けての高揚感というのは、いつ観てもすごい。
そして毎回思うのは、「振り付けをこなしています」感が全く感じられないこと。音楽を聴いて彼が自由に体を動かしているように見えるというか、表現が自然なんですよね、とても。
振り付けに追われるのではなく、彼が音楽を身につけて先へ先へと滑っていくような。こればかりは天性のものなんだろうなあ。
振り付けと彼がお互いに良さを引き出し、最高のものが生まれましたね。あっぱれだよ、大ちゃんと振り付け師の宮本賢二さんとカメレンゴさん!
バンクーバーでも観客を大いに魅了しちゃってください!!

五輪派遣選手は今日発表となっていますが、男子はこの三人でほぼ決まりでしょう。
二人のエースが怪我やら何やらで交互にシーズンを休んだりして、なかなか三人揃った姿が見られませんでしたが、ここにきてやっと揃いましたね(男子の層もこんなに厚くなったんですね、涙)。
それぞれがそれぞれの目標を達成できるように、最高の演技が見られるように、祈るばかりです。
そして何より、五輪まで怪我をしないでくれ!! 頼みますよー。
周囲のスタッフの皆さんも選手を万全の体制で支えてあげてください。年末も年始もなく大変でしょうが、皆さんどうかお体に気を付けて頑張ってください。

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