バンクーバー五輪 フィギュアスケート・ペアSP

バンクーバー五輪、フィギュアの最初の種目はペア。日本で一番影の薄いフィギュア種目!(涙)日本人の川口悠子さんがロシア代表として出場しているので、以前よりは注目されていますが。。

それはさておき、日本時間朝の九時半頃(だったはず)に始まったSP。目が覚めたのが放送開始ギリギリで、頭がボーっとしたまま観戦開始。
しかし、一番滑走は私が一番好きなペア、中国の申雪(シュー・シェン)/趙宏博(ツァオ・ホンボー)組です! リンクで練習をする二人の姿を見たら、その瞬間に緊張で体がカチコチに。
今季は大きなミスもなく、安定感抜群の演技が続いていましたが、やはり五輪。本人たちは四回目の五輪ですが、やっぱり五輪は何があるかわからないし、メダル争いは混戦でSPでミスしたらそこでメダルが逃げてしまうという感じでしたので、もう心臓バクバクだったのですが……まあ、見終わったら杞憂だったというか(笑)。

少し慎重になっていたようにも感じましたが、クィーンの『Who Wants to Live Forever』に乗って、相変わらずの愛たっぷりの演技を見せてくれました。
ジャンプで転けないかとか心配をしつつ、二人のこれまでを思い出し、二人の年齢(三十一歳と三十六歳!)を思い、いろんな感情がこみ上げて、精神的にまともな状態で見られませんでした。もともとSPは短いですが、本当にあっと言う間に終わってしまって、とりあえず無事に済んで一安心。

一番滑走は点数が出にくいという心配もなんのその、世界最高得点なるもの(76.66)を叩きだし、結局最後まで抜かれることなく一番滑走一位でSPを終えたのでした。
明日は二人の本当に本当の集大成の演技を見たいです。そして金メダル! そのために戻ってきたのだから!!

他のスポーツでも見られますが、トップレベルは後半に出場します。申雪組はここ二年間競技会に出場しておらず、世界ランキングが低いために前半滑走となったのですが、他の前半組はランキングの低いペアになります。
当然、申雪組とその後に滑るペアでは実力に違いがありすぎるのですが、だからといってつまらないとかそういったことはありません。下位のほうは初めて見るペアもいましたが、若いペアの初々しさは逆にベテランペアには出せない魅力ですし、これからどんな風に成長していくのか楽しみなペアもいたり……。
というわけで、下位で気になったペアを何組か。

まずはロシアの三番手、ベラ・バザロワ/ユーリ・ラリオノフ組(12位)。
ロシア期待の若手なんですが、どうも男性のラリオノフがドーピングにひっかかって二シーズンほど出場停止状態にあったらしく、今季復帰してきたそうです。
しかしブランクを感じさせない美しい演技で、とてもよかったです。繊細で一つ一つのポーズが(特に女性の!)美しく、うっとりしてしまいました。
最初のソロジャンプで思いっきり二人のタイミングがずれてしまったのですが、それ以外、特にスピンはぴったり揃っていてきれいでした。
これからがとても楽しみなペアです。目指すはソチのメダルかな。

15位のフランス、ヴァネッサ・ジェームス/ヤニック・ボヌール組の演技は見るの何度目かなあ。
フィギュアではあまり見かけない黒人ペア。とにかく肉体の美しさが目を引きます。筋肉好きにはたまりません(笑)。
女性のジェームスはカナダ出身ということで、今日は観客から大声援を受けていました。真っ赤な衣装に身を包んでのタンゴ、素敵でした。
もっともっと上位に来て欲しいペアです。

10位に入ったアメリカのアマンダ・エヴォラ/マーク・ラドウィック組は、私の大好きな映画『ラブ・アクチュアリー』の音楽にのって素晴らしい演技を披露してくれました。
全米選手権で僅差で二位となり、五輪出場を得たペア。「五輪に出られるなんて夢みたい」と女性のエヴォラは言っていたそうなんですが、そんな夢の舞台でミスのない素晴らしい演技。本人も「信じられない!」といった表情をしていたのが印象的でした。
(私にとって)馴染み深い音楽で、音楽の盛り上がりと演技がピッタリとはまっていて、最後はうるうる涙ぐんでしまうほどでした。
この調子で明日のFSも良い演技を見せて欲しいです。

他にも「いいなあ」と思ったペアはいたのですが、特に印象に残った組を挙げました。なんせ、上位陣が皆素晴らしい演技だったので、さすがにあれらを見た後では記憶が霞んでしまう(ごめんなさい)。
そんなわけで、上位陣の感想。

まずは二位となったドイツのアリオナ・サフチェンコ/ロビン・ショルコウィー組。
このペアも美しいんだー!! 上位陣はどのペアも、フィギュアのスポーツとしての凄さと芸術面の美しさとの両方を存分に見せてくれたのですが、このペアは特に美しさの面で特化している感じです。
ピエロのメイクもいいですよね。初めて見た時は、フィギュアはこんな世界も作り出せるんだなあと感動しました。
今日は最終滑走でしたが、中国ペアの素晴らしい演技が続いた中で、ややスピンに乱れがあったものの派手なミスなく終わり、二位につけました。
一位の申雪/趙宏博組とわずか0.70点差の75.96。ああ、もう明日どうなるのやら。。

三位はロシアの川口悠子/アレクサンドル・スミルノフ組。
演技に入る前のスミルノフがもうガッチガッチに緊張した顔で(川口さんはリラックスした様子でしたけど)、どうなるかと心配でしたが、スロージャンプの着地でわずかに躓いただけのほぼノーミスな演技。観客も大いに沸いていました。
解説の西岡アナと実況の天野さんも黙り込んで演技に見入ってましたね(突然「ヒィ」って声が入ったけど、あれは何だったのか、笑)。
ネット上では選手の衣装が映えにくいと評判の悪いリンク壁(バンクーバーの山並みが描かれた)ですが、白鳥をモチーフにした二人の衣装は壁に合っていたように思いました。
曲はサン=サーンスの『白鳥』でしたが、あの曲は童話的な優しさがあるし(私は胎教で聴いていたらしいんですよね……)、絵本の世界に二人が舞い降りたようで。二人の演技はどちらかというと力強いのですけどね、リンクはふんわりとした優しさに包まれていました。

こちらは74.16でトップの申雪組と2.50点差。
上位三組は点数的に一つ抜き出ていて、金メダル争いは実質この三組に絞られたようにも思いますが、いやいや、何が起きるのかわからないのが五輪です。

四位と五位には中国ペアが並びました。
四位は?輾清(チン・パン)/?稲健(ジエン・トン)組でした。曲はビゼーの『真珠採り』(よく知らない……)。青の衣装がとても綺麗で、二人が作り出す世界に見ているこちら側も海の中を漂っているような気持ちになりました。
中国の超強力ペア三組のうち、この組だけ五輪のメダルがないと紹介されていました。。
あー、とって欲しい! でも、上位三組とはやや点数に差がつけられ、71.50点。

五位は、フィギュアに詳しくなくても覚えていらっしゃる方もいるかと思います。前回のトリノ五輪で四回転スロージャンプに挑んで女性が転倒。演技を一時中断しながらも、最後まで滑りきって見事銀メダルに輝いた二人です。
中国の張丹(ダン・ジャン)/張昊(ハオ・ジャン)組。
今季はなかなか調子が上がらず、険悪ムードを漂わせていた試合もあったのですが、五輪に合わせて調子を上げてきたようでホッとしました。明日も今日より良い演技を見たいです。
点数は四位とほとんど変わらない71.28点。

六位以下はまた点差が開いているので、メダル圏内はここまでといったところ。
期待していたロシアの二番手、マリア・ムホルトワ/マキシム・トランコフ組は
男性のトランコフがソロジャンプで転倒。演技後かなり落ち込んでいました。
この悔しさをバネにして、明日は最高の『ラブストーリー』を見せてほしいなあ。

それにしてもまあ、メダル圏内に中国が三組。今やペア王国です。
ペアは前回大会までロシア勢が十二連覇中。ロシアも本当にペア王国だったんですけどね、その王座を中国とドイツが狙っているという感じでしょうか。
川口/スミルノフ組には大きなプレッシャーもかかりますが、気にせず自分達の滑りをしたい、みたいなことを話していたようなので、その気持ちでもって明日も素晴らしい演技をしてほしいなと思います。
メダルに関しては個人的願望はもちろんあるのですが、もうこうなったら、どのペアもノーミス演技でガチンコ勝負となってほしいです。

実は昨夜も興奮してあまり眠れなかったのですが、今夜もそうなりそう。。
おー、みんな無事に明日を迎え、そして演技を終えてくれー。

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