アジアフォーカス・福岡国際映画祭2011

今年のアジアフォーカスは9月16日から25日までの開催でした(映画祭公式サイト)。
シルバーウィークに合わせての日程でしたが、私はというと、実質23日から25日までの3日間での慌しい鑑賞となってしまいました。
昨年は、協賛企画も含めて10本のアジア映画を鑑賞したのですが、今年は8本でした。
昨年のようにすべての作品をじっくり振り返る余裕がないので、今年はまとめて振り返ってみます。

※  ※  ※

鑑賞作品は以下のとおり(鑑賞順)。
★は個人的な満足度です。5個で満点。

『すばらしき大世界』 (★★)
『Bleak Night(原題)』 (★★★★)
『ナデルとシミン(仮題)』 (★★★★)
『坡州(パジュ)』 (★★) ※協賛企画
『遠い帰郷』 (??)
『ソウルのバングラデシュ人』 (★★★) ※協賛企画
『妻は、はるか日本に』 (★★★)
『ピノイ・サンデー』 (★★★★)

『すばらしき大世界』 (★★)
原題:It’s A Great, Great World (中国語題:大世界)
2010年/シンガポール/91分

1940年代のシンガポールを描いた作品。「大世界」というシンガポール初の三大アミューズメント・パークの一つを舞台に、そこで繰り広げられた人々の青春や愛をユーモラスに描いています。
前半はかなりB級な感じ。後半のほうが好きでした。落ちぶれた往年の名歌手の話とか。
シンガポールの人たちのための映画なんだろうなあ、と思いながら見ました。

『Bleak Night(原題)』 (★★★★)
英題:Bleak Night/原題:Pa su kkun
2010年/韓国/116分

主人公は3人の男子高校生、ギテ、ドンユン、ヒジュン=ベッキー。仲の良かった3人はなぜすれ違っていったのか。
ギテの父親がギテの死の理由を探るという構成で、時間軸が交差しながら、3人の友情が壊れていく過程を描き出しています。
サスペンス調で真実が少しずつ明らかになっていく展開は面白かったですし、何よりギテ役を演じたイ・ジェフンの演技がすばらしかったです。
特に、失った友情を取り戻そうとベッキーやドンユンと対峙する場面で見せた表情が好きでした。普段は学校でボスをやっている彼が、幼い子供のように涙目になって謝る姿は切なかったです。
私は23日に鑑賞したのですが、この日はイ・ジェフンとユン・ソンヒョン監督が来福され、上映後にはQ&Aやサイン会も行われました。サインをもらうこともでき、いい記念になりました。
2人とも若く、監督は私と同じ年のようです。若い2人の今後の活躍が楽しみです。

『ナデルとシミン(仮題)』 (★★★★)
英題:Nader and Simin, A Separation/原題:Jodaeiye Nader az Simin
2011年/イラン/123分

ベルリン国際映画祭2011金熊賞受賞作品。今年のアジアフォーカスでは観客賞も受賞しました。
今年一番の注目作品だったようです。見逃してはいけない、と思い見てきました。
銀行員として働き(割と)裕福な生活を送る主人公ナデル。しかし、妻シミンと喧嘩し、妻に家出されたことから、生活がうまくいかなくなっていきます。
ナデルとシミン夫妻・彼らの娘、そしてナデル家に出入りする家政婦の家庭。複雑な物語で、イスラム社会特有の?問題から、夫婦・家族関係といった普遍的な事柄まで、本当に多くの問題が含まれていて、語るのも大変なんですが。。
個人的にはナデル夫妻の娘が気になりました。11歳で、とても聡明で純粋な女の子。彼女が父親の嘘に対して見せる態度は胸に刺さりました。自分の生き方を振り返って反省してしまったというか・・・。
彼女は本当に真っ直ぐなんですね。嘘が嫌いなんでしょう。
しかし、彼女自身も嘘をつかねばならない状況に陥ってしまうんです。それからの展開というのは、彼女の心がボロボロに刻まれていくばかりで、最後まで見ていてつらいものがありました。
家政婦の女性も嘘がつけない人でした(彼女の場合、宗教上の理由でしたが)。「嘘」もこの作品のキーポイント。「うーん・・・」と考え込んでしまいます。
エンドロールは、あれはずるいよなー。

『坡州(パジュ)』 (★★)
2009年/韓国/111分

協賛企画の「東アジア映画フェスタ」で上映された韓国作品。
「パジュ」という軍事境界線の間近にある街を舞台に、姉を事故で失った女性と義兄(姉の夫)との微妙な関係を描いているんですが・・・。
個人的にはあまり好きになれなかったです。義兄の気持ちがわからなくて。

『遠い帰郷』 (??)
英題:Return Ticket/原題:到阜陽六百里
2011年/中国/88分

楽しみにしてた作品の一つだったんですが、前半寝てしまいました。。なので★はつけられません。
上海で出稼ぎ労働者として働く女性たちの苦悩と日々を描いていました。故郷を離れ、生きていく人々の姿を描いているということで興味を持ったのですけど、なんで寝ちゃったんだろう。つまらなかったとかそういうわけではないんですけど。残念。

『ソウルのバングラデシュ人』 (★★★)
英題:BANDHOBI
2009/韓国/107分

協賛企画の「東アジア映画フェスタ」で上映された韓国作品。
女子高生とバングラデシュから韓国へ出稼ぎでやってきた移民男性の交流を描いています。
コメディタッチで面白く見れましたけど、ちくちく胸に刺さる場面も。バングラデシュ人のカリムが言っていた韓国人の印象(白人にはペコペコして、途上国の人間は見下している)はそのまま日本人にも当てはまりますね。自分に言われてるようでした。
ヒロインの女子高生・ミンスは、ひねくれて生意気で気性が激しく、正直友達にはしたくないタイプでした。いやー、まいった(笑)。でも嫌いになれない女の子。17歳とまだ若いのに破滅的な生き方をしているのが気になりました。自分を大切に生きてほしいと思わずにはいられない・・・。
ちなみに英題(原題)は「バンドゥビ」というタイトルなんですけど、ベンガル語で「真の友達」といった意味だそうです。
エンドロールはミンスがバングラデシュ料理店でバングラデシュ料理を食べているシーンをノーカットで流しているんですが、なんかあまり美味しくなさそうに食べていて、そこがちょっと気になりました。

『妻は、はるか日本に』 (★★★)
英題:The Japanese Wife/原題:The Japanese Wife
2010年/インド/105分

一度も会わずに文通だけでやりとりをするインド人男性・スネホモイと日本人女性・ミヤゲ夫婦の不思議な結婚生活を描いたラブロマンス。
とにかく、描かれる日本のイメージに違和感が(笑)。日本の話題になると琴の音楽が流れてくるんですけど(これがまた過剰なんです)、それが一番嫌だったなあ。あの音楽がなければもっと素直に見れたというか、物語に入っていけたような気がします。
二人は英語で文通をしているのですが(出会いのきっかけも文通)、二人が喋るたどたどしい英会話が新鮮でした。まあ、ほんとに下手というか、英語が不得意な私にはかえってわかりやすい発音だったりしたんですけど(笑)。
舞台はスネホモイが住むインドが中心。自然を愛し、時に牙をむかれながらも自然と共に生きる彼らの生活は、日本人にも通じる部分があるかも。
スネホモイはマトラ川(だったと思うんですが・・・ちょっとうろ覚え)という川のそばに住んでいて、川の風景もよく出てきたのですが、とても良かったです。
日本の凧とインドの凧を競わせるシーンが一番楽しかったかな。

『ピノイ・サンデー』 (★★★★)
英題:Pinoy Sunday/原題:Pinoy Sunday
2009年/台湾・日本・フィリピン・フランス/85分

台北で働くフィリピン人(ピノイ)労働者の現実と夢をコメディタッチで描いた良作。
映画祭最終日に何を見ようか迷って、(疲れていたので)気軽に見られそうなこの作品を選びました。
主人公はフィリピン人労働者のマヌエルとダド。寮の屋上でソファに寝転がって夜空を見上げたい、という夢を叶えるために、台北の街をソファを抱えて移動する二人の姿がシュール。寮に帰りたいのに、寮からはどんどん離れていくし、道中いろんな珍事件に巻き込まれるしで。爆笑はないんですけど、小さな笑みがこぼれっぱなし、という感じでした。
途中までは非現実的な設定だと思いながら見ていましたが、二人の夢は真剣で、決してリアリティのない話ではないんですね。気付いたら、二人が無事寮に帰れるのを応援してました。
二人の夢が半分叶って、半分破れるラストは良かったです。夜空の下、川にソファを浮かべて揺られながら歌を歌うシーンはほんとに美しかった。
夢破れてもなお笑顔を失わない二人の明るさに救われたというか、癒されました。
疲れたときに見るのにちょうどいい作品。見てよかったです。

※  ※  ※

適当な感想ですが、ざっとまとめてみました。適当すぎてすみません。
個人的には『ピノイ・サンデー』が一番のあたりだったかな。制作国に日本が入っていますが、NHKが関わっているようです。

今年は仕事もプライベートも忙しく、精神的にも余裕がなくて、映画祭を楽しんだという感じがあまりしませんでした。そこがちょっと残念。
でも、映画を見るってやっぱり面白いし、また来年も行きたいと思います!

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