2012年1月に鑑賞した映画

2012年最初の月に鑑賞した映画の感想です。
1月の鑑賞本数は3本でした。少ない・・・。

以下、感想。鑑賞順です。
( )内は個人的な満足度。★5で満点。
※は鑑賞日と鑑賞劇場。

『聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実』 (★★★★)
(2011年/日本)
気がついたら、戦争が始まって、負けて終わっていました。
「え、え、どうすればいいの??」っていうのが映画終わった直後の気持ちです。うまく言えないんですけど、これからの生き方を問われたように思いました。「どんな風に生きていけばいいの? 私は、この国で」と。

作品は、山本五十六が日独伊三国同盟に反対していた海軍次官から、自らの意思に反して戦争を始めなければならなかった連合艦隊司令長官時代、そして志半ばで命を落とすまでを描いています。とにかく山本五十六が中心で、派手な戦闘シーンがあるわけでもなく、最後まで淡々と進んでいきます。
彼と、彼を取材する新聞記者の目を通して、当時どのようにして国が戦争へと向かい、負けていったのかを描いているのですが、それがまさに「気がついたら」「いつの間にか」でした。

特に印象に残ったのが、随時出てくる小料理屋のシーン。
戦争に心躍らせる常連客、戦争にはあまり興味ないが何となく時代の空気に乗っているダンサーの若い女性、戦争に懐疑的な店の女将。
この小料理屋、当時の日本の縮図だろうし、現代の縮図でもあると思いました。「日本は首相がコロコロ変わる」なんて、いまも変わらない。
そして 一番怖かったのが、男性客が発した「仕方ないよ、戦争なんだから」という台詞。
女将が多くの若い兵士が命を落とすことに疑問を呈すと、男性が言ったんですね、「仕方ないよ」と。人が死ぬのは仕方ないと。
ああ、こうやって、「仕方ない」って一言で、多くの人生が犠牲になったのかと思いました。そして私も、その一言を簡単に口にしてしまうだろうと(自分なら言いかねないと思ったんです)。とても怖くなりました。
前線で命を落とした若い兵士がいた一方、その間お酒を飲みながら戦争談議をしている人々もいる。
私はこの小料理屋の常連客でもあり、ダンサーでもあるんですよね。何となく、時代に流されて生きていて、気まぐれに政治や社会のことを思ったり言ったりして、でも真剣には考えてなどいない。
そんな自分の姿を突きつけられました。だから、映画を見終わった後、「これからどうするの?」と、自分の生き方を問われたように感じたんですね。問われて、戸惑っただけでしたけど・・・。

今年最初の作品でした。見てよかったです、最初にこの作品を選んで、よかったです。
見終わって感じた「問い」を、忘れないようにしないと・・・。
★の数は、5に近い4です。
(※T・ジョイ博多、1月2日)

『哀しき獣』 (★★★★)
(2010年/韓国)
中国の延辺朝鮮族自治州でタクシー運転手をして生きる男グナムが主人公。彼が借金返済のために人殺しを請け負ったことから無関係の事件に巻き込まれていく姿を、派手な逃走劇と暴力とで迫力満点に描きます。
まあ、もう、流れる血の量が半端ない。すごいです。特にすごいのが、殺人請負業者のミョン社長。
何がすごいって、社長だからと部下に汚い仕事を任せるのではなく、敵を追いかけ自ら海に飛び込み、自ら斧を持ってメタボな体で駆ける姿などは、いや、悪い人物なんですけど、本当に悪い人物なんですけど、こういう行動力があるから人がついていくんだなと、妙に感心してしまいました。。
途中からこのミョン社長が主人公かと思ってしまうほどの存在感で、グナムがかわいそうなくらいでした。

中国の朝鮮族については、一昨年アジアフォーカスで見た『豆満江』を思い出したり。
この『哀しい獣』では、主人公グナムは韓国に渡るために密航するのですが(『黄海』(原題)を渡る)、その密航船の様子は恐ろしい映像でした。血みどろの殺し合いよりも、ある意味。
ミョン社長に捨てられ韓国に帰れなくなった時も。危ない仕事をするのだから当然そういう事態も予想できるのですが、それでも、もし自分が誰も頼る人のいない土地に一人取り残されたら、なんて考えると・・・。

好きなシーンがあって。タクシー運転手として働くグナムの一日を追ったシーンが最初のほうにあるんです。
人と車と埃で溢れる町中を、すすっと車ですり抜けていく。なんでもない表情で周囲をキョロキョロ確認しながら。
そのタクシーを運転しているときの彼の表情が好きで。
人並みの営みをしていた彼が、黄海の荒波にのまれるように転落していくのだから。
怖い・・・でも、面白い。エンタメ作品として、十分満足できる作品でした。
(※T・ジョイ博多、1月9日)

『麒麟の翼~劇場版・新参者~』 (★★★)
(2012年/日本)
東野圭吾原作の同名小説の映画化作品。ドラマ版の劇場版、ってことらしいですが。同シリーズのドラマも原作も全く知りませんでしたが、楽しめました。
見どころは中井貴一でしょう!
子供に思いを伝えられない不器用で、でも優しい父親。ポロシャツをズボンに入れ、老眼鏡をかけ、もうなんですか!オヤジ好きにはたまりませんよ!
私の中では中井貴一っていまだに『Age35』の不倫ヤローのイメージなんですけど(古いよ)、そんな彼がすっかりいいオジサンになって・・・。
彼が演じた父親は不器用で、息子とも会話できなくて、そこからすれ違いと悲劇が生まれていくのですが、でも彼が持っていた優しさは、息子もきちんと受け継いでいたんですよね。そこが良かったです。
事の発端となった事件を起こしている時点で、優しさなんてない、とも言えますけど・・・。

この作品は完成披露試写会で鑑賞しました(応募したら当たった)。主演の阿部寛と新垣結衣の舞台挨拶を聞くこともできて、楽しかったです。阿部ちゃん、かっこよかった。
でも映画の中の阿部ちゃんは終盤説教臭くてうざかったです。あれは脚本が悪いんだけど。田中麗奈が演じた看護師も、ちょっとうるさかったですね。。

お金と時間に余裕があったら、もう一回中井貴一を見に行きたいです。
(※試写会。T・ジョイ博多、1月21日)

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