2012年のまとめ ~読書編~

2012年のまとめ、引き続いて読書編。
2011年は小説ばかり読んでいましたが、2012年は小説以外の本にも挑戦。社会の様々な問題や歴史に触れ、知識を深めた一年となりました。

・・・というのはウソですが、小説以外の本も読んだというのは本当で、でもまだまだその手の本は苦手かなあとも思った一年でもありました。

※  ※  ※

というわけで、2012年の読書リストです。『地の底のヤマ』のリンク先は感想を書いたエントリーです。その他作品の感想は短く併記してます。

<小説>
『大阪文学名作選』 富岡多恵子編/講談社文庫
『きみの鳥はうたえる』(伴録『草の響き』) 佐藤泰志/河出文庫
『そこのみにて光輝く』 佐藤泰志/河出文庫
『地の底のヤマ』 西村健/講談社
『真夜中のパン屋さん』 大沼紀子/ポプラ文庫
『雪国』 川端康成/新潮文庫

唯一感想を書いた『地の底のヤマ』は感想を読んでいただければ、私の熱い思いもいくらか届くのではないかと。もう「圧巻」の一言です。
『大阪文学名作選』は新聞の書評で目にして気になったので購入。河野多恵子『みち潮』、そしてやっぱり川端さんの『十六歳の日記』が好き。山崎豊子『船場狂い』も面白かったです。
『きみの鳥はうたえる』『そこのみにて光輝く』は、一昨年読んだ『海炭市叙景』に続いて、佐藤泰志の作品を読んでみたくなり。『きみの鳥はうたえる』伴録の『草の響き』がよかったです。
『真夜中のパン屋さん』はなんで読んでしまったのか(薦められたからなんだけど・・・)。少女漫画が好きな人向け?
おなじみ川端さんの『雪国』は年に一回は読みたくなる時がくるんですよね。なんでだろう。

<荒井良二関連>
『あさになったので まどをあけますよ』 偕成社
『meta めた』 フォイル
『Pooka+ 荒井良二 日常じゃあにぃ』 Pooka編集部

好きな絵本作家・荒井良二さんの関連本。上から絵本、画集、ビジュアルブックです。
3作とも荒井さんの魅力が詰まっています。特にビジュアルブックは(Pookaというのは学研の絵本関連のムックらしいですが、詳しくは知りません)、荒井さんへのインタビューから作品一覧まで荒井さんの様々な一面が見られる嬉しい一冊です。まだまだ荒井初心者の私ですが、これからも彼の作品を集めていきたいと思いました。

<その他>
『あんぽん 孫正義伝』 佐野眞一/小学館
『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』 大鹿靖明/講談社
『驚きの介護民俗学』 六車由実/医学書院
『ルポ 若者ホームレス』 飯島裕子・ビッグイシュー基金/ちくま新書
『日本の歴史をよみなおす』 網野善彦/ちくま学芸文庫
『やくざと日本人』 猪野健治/ちくま文庫
『戦前昭和の国家構想』 井上寿一/講談社選書メチエ

いろんな分野が混ざって、私はいったい何に興味があるのかと自問したいくらいですが(苦笑)。新聞の書評等その他で気になったものに手を出したらこんなことになりました。

『あんぽん 孫正義伝』は昨年世間を賑わした佐野眞一氏による孫正義氏の評伝。孫一族の歴史はドラマチックで、面白かったです。けど、きちんと彼らを描ききってるとは思えないし、著者の気分で話が飛んで、振り回されるもんだから、特に後半は読むのも億劫になってしまいました。著者が出しゃばって自分の話をし始めるし。この著者は私には合わないな、と。
『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』は、福島第一原発事故の裏側に迫ったドキュメント。震災直後の福島第一原発の危機に迫った第1部は現場の恐怖と決死の思いが伝わってきます。体が震えます。ですが、第2部・第3部の東電救済スキームと政権崩壊についてはうーん・・・。東電と経産省憎しで書かれている点も気になりました。彼らを擁護するつもりはないけれど。
民俗学者の視点から見た介護現場を描いた『驚きの介護民俗学』は書評を読んで気になり購入。民俗学と介護がこういう風につながるのか、と目からうろこ。「高齢者たちの話を聞く」言うのは簡単だけど、著者のように丁寧に聞き書きを繰り返すにはスキルが必要。これが今後どのように介護現場に生かされていくのか、気になります。文章はエッセイという感じで読みやすいです。
『ルポ 若者ホームレス』は2010年のものですが、興味があり購入。ホームレスになってしまった若者たちに取材し、その背景と問題点を探ります。感想を一言で言うとすると、「こわい」です。助けを求められる家族や友人らがいない人には他人事ではない。もし私も…と考えてしまいました。本当は誰にとっても他人事ではないと思いますが…。
『日本の歴史をよみなおす』『やくざと日本人』は日本の歴史をいつもと違う視点で見つめなおすために。特に後者は、やくざの誕生から彼らの社会的立場の変遷まで、興味深い話ばかりで面白かったです。
『戦前昭和の国家構想』は戦前の四つの国家構想「社会主義」「議会主義」「農本主義」「国家社会主義」を解説。文体が独特なのと知識が足りないのとで読むのに苦労しました。もうちょっと勉強してからまたトライしたいです。

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全16冊。一応月に1冊は読んだことになるんですね。でもやっぱり少ないですよね。
もっと勉強せんといかんばい。。

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