『ザ・エージェント』

今年1本目。

※  ※  ※

すっかり映画への熱を失っているこの頃。映画の感想は何か月ぶりでしょうか。。
先日何となく福岡市内の映画館のスケジュールを見ていた時(熱は冷めたものの一応チェックはしている)、TOHOシネマズで『ザ・エージェント』をやっていることを知り、行ってきました。
どうやらTOHO系の劇場でここ数十年の名作を上映する『バック・トゥ・ザ・シアター』(公式サイト)という企画をやっており、その中の1作に選ばれたようです。

公式サイトにはこの企画の意図として、

映画を通してあの時の自分に、そして新たな自分に逢いに行く

と書かれてあるのですが、私にとっても今回の観賞はまさにその通りとなりました。

以下、ネタバレありです。

『ザ・エージェント』(原題:Jerry Maguire)は日本では1997年に公開された、トム・クルーズ主演、キャメロン・クロウ監督のヒューマンコメディ。
70人以上のクライアントを抱える敏腕スポーツ・エージェントであるジェリー・マグワイア(原題はこれです)の活躍と挫折、そして再び輝きを取り戻すまでを、友情と恋愛を軸にテンポよく描いています。
トムが仕事に恋愛にと苦悩する泥臭い主人公を見事に演じて、久々にオスカーにノミネートされました(主人公のたった一人のクライアントであるアメフト選手ロッドを演じたキューバ・グッティング・ジュニアは助演男優賞を受賞)。それから、『ブリジット・ジョーンズの日記』でお馴染みのレニー・ゼルウィガーがブレイクするきっかけとなった作品でもあります。

公開当時、私は15歳。中学生でしょうか。お小遣いはほとんどもらえず、映画館へ足へ運ぶこともめったになくて映画鑑賞はもっぱらビデオ(!)でしたが、この作品は映画館まで行って見ました。
17年振りに見てみると、ちょうど今の私の年代にぴったりの作品で、よく当時この作品を一人で見たなと思いました。玄関前でのジェリーとドロシーのラブシーンなんて、15歳には過激ですよねえ。何もわからないよ(笑)。

物語自体は、挫折からの立ち直り、というシンプルな話なので年代関係なく楽しめるものではありますが、シングルマザーとの恋愛や結婚などは、公開当時の私にはわかりようがなかったですね。ジェリーとドロシーの駆け引きは、今だからこそ感じる部分がありました。
ジェリーが勢いでドロシーとの結婚を決めてしまったこと、ドロシーがどこかでそれを期待していたこと、でもやっぱりうまくいかなかったこと。。
ドロシーは26歳、ジェリーは30代半ばだったかな、そういう人生の大きな分岐点を迎えた男女の物語。仕事だけやっていればいい、仕事だけうまくいけばいい、そんな年はもう過ぎていて、人生に右往左往する彼らの姿に胸が締め付けられました。。

そんな中、今回一番感動したのは、ドロシーの姉・ローレル(ボニー・ハント)の存在でした。公開当時には、彼女の存在の大きさには気付いていませんでした。
自身もシングルであるローレルは、夫を亡くしシングルマザーとして奮闘するドロシーを厳しくも、優しい眼差しで見守っています。
ドロシーが会社を辞めた時も、会社の上司(ジェリー)に恋していることを知った時も、ジェリーとの結婚を決めた時も、別れを決めた時も、いつでもどんな時でも、ドロシーの味方であり、彼女を守ろうとします。その姿に、自然と涙がこぼれました。それも何度も。彼女の優しい眼差しが映る度に。
私が今欲しいものが、彼女の眼差しにあるように思いました。。

この作品には著名な名台詞がいくつかありますが、その中でも特に心に残るのが、
Help me, help you. と You complete me. です。

「Help me, help you.」はロッドの契約交渉がうまくいかず、契約がうまくいくようロッドに態度を改めてほしいと懇願するジェリーのセリフ。「僕を助けてほしい、それが君を助けることにもなるから」といった意味。
「You complete me.」は、エレベーターに乗り合わせた聴覚障碍者の男女の会話から。障碍のある男性が「君が僕を完璧にする」と手話で女性に話したのを、ジェリーとドロシーが見ていました(ドロシーは手話が少し分かるらしく)。このシーンは伏線となっていて、このセリフは終盤にもう一度出てきます(ベタですが、それが気持ちいいんですよね)。

どちらも、友情であれ恋愛であれ、人は互いに助け合うことにより生きていける、ということを指しています。
年を重ねるほど、こういったベタでシンプルな物語に素直に涙するようになっているのは、年を重ねるほどにその「重要さ」に気付くからなのかなあと思います。

最近仕事もプライベートもさっぱりな私なんですが、私が今失っているそれらが、この作品には詰め込まれていました。
気持ちのいい作品なんですが、今の自分を思うとちょっと辛いものがあったり…。

『ザ・エージェント』(原題:Jerry Maguire)
1996年/アメリカ/136分
監督・脚本:キャメロン・クロウ
製作:ジェームズ・L・ブルックス、リチャード・サカイ、ローレンス・マーク、キャメロン・クロウ
出演者:トム・クルーズ、キューバ・グッディング・Jr、レニー・ゼルウィガー 他
※4月3日、TOHOシネマズ天神にて鑑賞

このポスター、数あるトム主演作の中でも「最高傑作!」と言いたいくらい大好きです(なので「大」サイズを選択)。

ザ・エージェント (1枚組) [DVD]

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