春の言葉

「読む」春を楽しんでいます。
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先日時間つぶしに本屋へ寄ったら、面白そうな本を見つけたので買ってみました。

西行は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した歌人です。
23歳の若さで出家し、各地を旅しながら多くの和歌を残した人で、松尾芭蕉など後世にも大きな影響を与えたことで知られます(私はこの本を読んで知りました^^;)。

少し前に、私の好きな作家である川端康成のノーベル賞講演『美しい日本の私』を読んだんですが、その中に西行の話が出てきて、いつか西行に関する本を読もうと思っていたところでした。
ただ、具体的にどの本を買うというのは決めてなくて、今回購入した本は本屋でぶらぶらしていた時にたまたま目に入ったものです。
タイトル通り初心者向けの解説本で、西行の数多くの和歌から編集者が選んだ和歌の解説と共に、西行の人生をたどる本です。まだ半分も読んでいないのですが、わかりやすく、奥深く、とても面白い一冊です。

この西行という人は、サクラをこよなく愛したことでも知られ、サクラに関する和歌も多く残しています。
特に吉野山のサクラを愛し、この本でもわざわざ「吉野」という項目を設け、吉野山とそこに咲くサクラを詠んだ和歌を解説しています。

現代日本でサクラと言えば、通常「ソメイヨシノ」を指します。この名前に入っている「ヨシノ」は「吉野」のことです。
Wikipediaにソメイヨシノの名前の由来が載っていましたので、そのまま引用します。

江戸末期から明治初期に、江戸の染井村に集落を作っていた造園師や植木職人達によって育成された。初めサクラの名所として古来名高く西行法師の和歌にもたびたび詠まれた大和の吉野山(奈良県山岳部)にちなんで「吉野」「吉野桜」として売られ、広まったが、藤野寄命による上野公園のサクラの調査によってヤマザクラとは異なる種の桜であることが分かり(1900年)、この名称では吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあるため、「日本園芸雑誌」において染井村の名を取り「染井吉野」と命名したという。翌年、松村任三が学名をつけた。

ソメイヨシノは明治以降に増えた品種なんですね。日本原産種のエドヒガン系の桜とオオシマザクラの交配でできたものと考えられているそうです(自然交配か人工交配かもわかっていないらしい)。
種子では増えないので、各地の樹はそのほぼすべてが人の手で接木(つぎき)などで増やした「クローン」とされています。

…と、それはさておき、ここにも「西行」の名前が出てきますね。
これまでもソメイヨシノのことは調べたことはあって、Wikipediaのこの記述も何度も読んでいるはずなんですが、西行の名前は覚えていませんでした。意識しないと、いくら目にしても覚えないものなんですね^^;
好きな川端さんの言葉だから、やっと「西行」の名前が記憶されたのでした。

西行の愛した吉野山のサクラはもちろんソメイヨシノではありません。吉野のサクラは「ヤマザクラ」で、これもWikipediaに記載があったので引用します。

ヤマザクラは同一地域の個体群内でも個体変異が多く、開花時期、花つき、葉と花の開く時期、花の色の濃淡と新芽の色、樹の形など様々な変異がある。
同じ場所に育つ個体でも一週間程度の開花時期のずれがあるため、同じサクラでもソメイヨシノと異なり、短期間の開花時期に集中して花見をする必要はなく、じっくりと観察できる。ソメイヨシノの植栽の普及する前の花見文化はむしろ、このように長期間にわたって散発的に行われるものであった。
(省略)「吉野の桜」とは、本来この山桜を指すものであり、日本の象徴とされた桜でもある。

花見も今と昔では違ったようです。
山に咲くいろいろなサクラを、時間をかけて楽しんでいたんですね。

私も自分で調べて初めて知ったのですが、サクラは本当にいろいろな品種があります。街中で見かけるサクラの多くはソメイヨシノですが、近場では舞鶴公園などにもソメイヨシノ以外のサクラも咲いているので、花見をしながら、自分好みのサクラを見つけてみるのも楽しいです。

この西行の解説本と一緒に、もう一冊春を「読む」本を買いました。

俳句をするわけではないですが、言葉で表現する「春」を味わいたくて。こちらもまだ読んでる最中なんですが、一つ一つの季語から思い浮かぶ情景は、それだけで気持ちをワクワクさせてくれます。

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サクラの芽も膨らんできて、春の訪れを強く感じるようになってきました。
この写真は今日撮ったものなんですが、サクラを撮るためにぶらぶら歩く中で、今年はサクラをどんな風に撮るか、大まかな青写真が描けました。

少しカメラを休んで、来週くらいまでは映画と読書に時間を使おうと思っているのですが、ぼちぼちサクラの様子も見に行かないといけませんね。

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