『二重生活』『フェイス・オブ・ラブ』『ワンドゥギ』

もう5月も半ばを過ぎましたが、4月に鑑賞した映画の感想を簡単に。

※  ※  ※

まずは『二重生活』から。概要は映画.comより。

天安門事件を描いた「天安門、恋人たち」で中国当局から5年間の映画製作禁止処分を受け、その間にも作品を発表し続けたことで話題を呼んだロウ・イエ監督が、禁止令が解けた2011年に中国本土で手がけた監督作。
ある事件の被害者女性と一緒にいた男が2つの家庭を持っていたことが明らかとなり、3人の男女や事件を追う刑事の思惑が複雑に交錯していく様を描いた恋愛ミステリー。

というわけで、3人の男女のドロドロ愛憎劇。バカな男と怖い女たちといったところ。
一人っ子政策や開発で破壊されゆく街(大気汚染)など、中国社会が抱える問題を織り込みながら描いてはいるのですが、いまいち人物描写が浅いのか、響くものがまるでなかったです。ただドロドロしていただけというか。
昨年アジアフォーカスで鑑賞したロウ・イエ監督の『ブラインド・マッサージ』は本当に素晴らしかったので、同じくらいの感動を期待していたのですが、まるで別人の映画のようでした。主演のチン・ハオは一緒だけどねー。。
ポスターにも写っている主演3人の演技は良かったです。


『二重生活』
原題:浮城謎事 Mystery
2012年/中国・フランス/98分
監督:ロウ・イエ
脚本:ロウ・イエ、メイ・フォン、ユ・ファン
キャスト:ハオ・レイ、チン・ハオ、チー・シー 他
4月4日、KBCシネマにて鑑賞。

続いて、アネット・ベニングとエド・ハリスが繰り広げる大人のラブストーリー『フェイス・オブ・ラブ』。
ストーリーはシネマトゥデイより。

5年前、突然の事故で30年も一緒に過ごしてきた建築家の夫ギャレット(エド・ハリス)をなくしたニッキー(アネット・ベニング)。同じく伴侶をなくした向かいの住人ロジャー(ロビン・ウィリアムズ)と悲しみを分かち合うなどしてようやく立ち直りかけた彼女は、夫と通った美術館を訪れる。楽しかった日々を振り返りながら館内を巡るニッキーは、ギャレットと生き写しである画家トム(エド・ハリス)と遭遇する。驚きながらも新しい恋の予感に胸を躍らせ、トムと少しずつ心の距離を近づけていくが……。

アネット・ベニングとエド・ハリスの演技が見所。洗練され、落ち着いた大人の男女はとてもかっこいい。それでいて、新しい恋にときめく姿は愛らしく。アネット・ベニング演じるニッキーのキャラクターについてはちょっと文句を言いたいですが、2人の演技は本当に安心して見ていられました。
特にエド・ハリスですね~。
この作品はエド・ハリス目当てで見に行ったのですが、大正解でした。彼の魅力満載です。洒落たスーツを着こなすダンディなギャレットも、汚れたシャツをワイルドに着こなす画家のトムも。本当に素敵でした。

亡き夫への愛が強いあまりに、瓜二つのトムに対し夫の名を呼んでしまうニッキー。ニッキーの思いを何より大切にし、静かに身を引くトムの姿に心打たれました。
ニッキーは(若干精神状態がおかしかったとは言え)中盤から自分勝手な言動が目立ち始め、見ている側も彼女への苛立ちが募っていきます。作品自体への印象も悪くなりかねたところで、最後に見せたトムの優しさが、喪失感から抜け出せないニッキーを、そして作品自体も救ったような気がしました。
最後は全部トムが持っていきましたね。親友としての立場を貫くロジャー(今は亡きロビン・ウィリアムズ…)もそうですが、男の優しさがぎゅっと詰まった映画です。


『フェイス・オブ・ラブ』
原題:The Face of Love
2013年/アメリカ/92分
監督:アリー・ポジン
キャスト:アネット・ベニング、エド・ハリス、ロビン・ウィリアムズ 他
4月5日、KBCシネマにて鑑賞。

最後は韓国映画『ワンドゥギ』。
概要は映画.comより。

「トキメキ☆成均館スキャンダル」のユ・アインと「チェイサー」のキム・ユンソク主演で、2011年韓国で530万人を動員するヒットを記録したヒューマンドラマ。
障害をもつ父親と風変わりな叔父と3人で暮らす高校生のワンドゥク。家庭は貧しく勉強もできず、夢も希望ももてない上に、隣に住む担任教師のドンジュが生活に干渉してくることにうんざりしていた。ドンジュがいなくなることを切実に願うワンドゥクだったが、ある日、そんなドンジュから会ったことのない母親の消息を知らされ……。

障害や外国人の不法就労などの貧困問題を背景に、1人の少年の成長をコメディタッチで描いた青春映画です。
韓国のこの手のエンタメ映画は、本当にうまいですね。期待を裏切らないストーリー展開、会話のテンポの良さ、そして役者。
多少の粗さも勢いで押し切ってしまう。見終わって「あー、楽しかった」と程よい満足感が得られる。
大きな感動はないですが、このような安定感のある作品も時に恋しくなるんですよね。不思議と落ち着くんです。
この映画も最初から最後まで安心して見ていられました。

キム・ユンソク演じる破天荒な教師ドンジュが特に目立ちますが、どのキャラクターも立っていて、ちょっとした言動にクスッと笑えて、最後まで楽しめます。
話の流れに逆らわず、自然に笑いを乗せていくやり方は、ちょっと大阪の笑いと似てますかね。
だから好きなのかなあ、韓国のこの手の映画。しっくりくるんですよねえ。。


『ワンドゥギ』
原題:Punch
2011年/韓国/108分
監督:イ・ハン
原作:キム・リョリョン
キャスト:キム・ユンソク、ユ・アイン、パク・スヨン、イ・ジャスミン、キム・サンホ 他
4月14日、Huluにて鑑賞。

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今年は月5本鑑賞を目標にしていますが、4月は6本見ることができました。
残りの2本についても、近々感想を書く予定です。
今月はまだ2本。。最近忙しくて映画を見に行く時間も作れないでいるので、ちょっと焦ってます^^;
がんばりまーす。

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