昨夜、NHK教育で放送された番組です。放送を見ることができなかったので録画したものを、今朝見ました。
とても面白かったです!
ロシア文学者の亀山郁夫さん(東京外大の学長でもある)が翻訳した、ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』が売れている、という話は以前日記でも書きました。
確かそれもNHKの番組(『クロ現』だったかな?)を見ての感想だったと思うんですが、今回は教育チャンネルのほうで、
『21世紀のドストエフスキー~テロの時代を読み解く~』
と題して、ドストエフスキーの作品(特に亀山さんも訳した『カラマーゾフの兄弟』を軸に)が描く、人間の心に潜む“悪”を取り上げていました。
『カラマーゾフの兄弟』は、カラマーゾフの3兄弟の父が殺され、その犯人は誰か、殺した理由は何か、に迫っていく物語…だそうです(恥ずかしながらまだ読んでいない)。
事件が起きて、父と同じ女性に恋をしていたことで父ともめていたという長男ドミトリーが逮捕されるのですが、長男は殺人を否定。
では一体誰が殺したのか?
次男のイワン、三男アリョーシャ、そしてカラマーゾフ家の下男スメルジャニコフも含めたカラマーゾフ家の人間模様や、各人の人間性を深く描きながら、人間という生き物に潜む“悪”を暴いていくお話……だそうです。
番組はそんな『カラマーゾフの兄弟』のストーリーを映画の映像と共に追いながら、亀山さんの対談を軸に構成されていました。対談相手は作家の金原ひとみ、加賀乙彦、映画監督の森達也の3氏。
おそらく、金原さんはドストエフスキーに傾倒している若者の代表として選ばれたのであろうと思います。
加賀さんはドストエフスキーを読み心理学に進み、精神科医として数々の犯罪者と接してきて、現在は作家としてドストエフスキーの研究も行っているということですから、人間の“悪”を専門家として見つめてきた方。
そして、オウム真理教のサリン事件をきっかけに、教団内部に潜り込みそれを映像化したことで有名な森さんは、ジャーナリストといった視点から“悪”を暴こうとしてきた方。
年代も立場も違う三者に、亀山さんが出会いに行くという形で対談が行われていくわけですが、これがとても興味深いものでした。
特に森さんとの対談は面白かったです。
犯罪を犯す者は、
凶暴で善意など持っていない人間なのだ
それは我々とは違う種類の人間なのだ
と、私たちは思いたがる。しかし実際は、私たちと犯罪者にそんなに違いはないのだと、オウム真理教の信者達と接してきた経験から森さんは語ります。
…と、長くなったのでここで②にいきます。
いい番組でしたね。私も記事を書きましたが、TBを受け付けておられないようですので、こちらにURLを貼り付けておきます。
http://myjo-movie.jugem.jp/?eid=99