九州交響楽団の第296回定期演奏会に行って来ました。
私の大好きな曲、スメタナ『我が祖国』の「モルダウ」が演奏されるということで聴きに行ったのですが、想像していたよりもずっと素敵な演奏で感動しました。生演奏ってやっぱりいい~!!
演奏会が行われたのはアクロス福岡。コンサート等が行われるシンフォニーホールの他にも会議室等の施設からレストランやショップまで、何でも入っている大きな建物です。
今回の演奏はもちろんシンフォニーホールで行われました。行くのはもう3,4回目くらいになります(実は何度かクラシック聴きに行っている)。
座席はA席を購入しました。1階のやや後ろのほうだったのですが、席はど真ん中。指揮者の直線上の席でした。
以前聴きに来たときは左端のほうの席で、音の響きがイマイチだったのですが、今回はそんなことはなく、とても気持ちよく聴くことができました。
今回の演奏曲はスメタナの連作交響詩『我が祖国』。
私の大好きな、そして一般的にもとても有名な「モルダウ」はこの中の2番目の曲になります。
全6曲です。
「モルダウ」以外はすべて初めて(たぶん)聴きました。
■第1曲「ヴィシェフラド」
チェコ語で「高い城」の意味だそうです。
ヴィシェフラド城跡で、吟遊詩人がチェコの栄枯衰退の歴史を語る、というストーリーのようです。
……実はもう、どんな曲だったかあまり覚えていません(汗)。
■第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」
正式な名前はヴルタヴァというそうです。モルダウはドイツ語なんだとか。
スメタナが生きていた時代はチェコはオーストリアの支配下にあったらしいので、そのことが関係しているのかも?
ヴルタヴァ河はチェコで最長の河だそうです。この曲を聴くとヴルタヴァのイメージが浮かび上がってきます(たぶん実際の河とは間違ってるだろうけど、汗)。
出だしからもう涙で目がうるうるでした(笑)。
2本のフルートから始まりますが、その調べは2つの水源から生まれた小川が合流しヴルタヴァとなっていく様子をが表しているそうです(スメタナ自身が楽譜に注釈で曲の解釈を書いているらしい)。
まさに河が生まれるその瞬間。このフルートの調べに混じって、バイオリンの弦がポロン、ポロンと弾かれていましたが、あれは水しぶきなんでしょうか。
次第に旋律は弦楽器へと移っていくわけですが、2つの小川が一つとなり、大河となっていく。あの有名な旋律が第一バイオリンの美しい音色と共に現れる瞬間は、もう本当に涙なしでは聴けません。聴くものの心の中にも一つの大河が現れたように、感動がゆっくりと、しかし大きな波を打って一つの頂点に達する。
本当に素敵でした。目の前に(ちらっと写真で見たことのある)チェコの風景が一気に広がっていきます。
歴史を感じる街並みの中、灰色に染まった空の下で粛々と流れ行くヴルタヴァ河。
バイオリンがまたとても綺麗だったんですよ~。柔らかさの中に芯の強さを感じるような、そんな音色でした。弦楽器の中ではチェロの音色が一番好きなんですが、今日はバイオリンに惚れました。
■第3曲「シャールカ」
恋人に裏切られたシャールカという女性戦士の全男性に対する復讐劇(!!)らしい。
その復讐劇というのが、シャールカが男を誘惑し、男達が油断した隙に女戦士達で皆殺してしまうという、恐ろしいもの。
最初は力強い感じなのですが、途中の誘惑の場面では雰囲気が変わります。と思ったら、突然また激しくなる(復讐開始!)。しかし、恐ろしい感じなどはなく、むしろ痛快なほど。どんどん盛り上がっていき、最高潮に達して終わります。
今日はこの曲が終わったところで休憩が入ったのですが、とても素晴らしい演奏だったのでアンコール拍手が2回くらいありました(全てが終わったわけではないので拍手は1回だけかと思ってた)。指揮者の方が舞台を去っては現れ、去っては現れ、を繰り返すのは、いつもながら見ていて不思議な感じがしますね。
■第4曲「ボヘミアの森と草原より」
題名のまま、ボヘミアの森と草原を描写した曲。
題名から開放的な曲を想像していたのですが、草原より森の印象が深く残るような曲でした。
■第5曲「ターボル」
ターボルというのは街の名前で、かつて宗教改革を目指して戦ったフス教徒達の拠点だった街だそうです。この曲と次の曲はフス教徒の戦いを描いているのだとか。
■第6曲「ブラニーク」
これは英雄達が眠る山の名前。
フィナーレは不屈の戦いを遂げた戦士達を讃えるようでした。
……以上、第2曲以外は初めてで、しかもクラシックは聴くだけで詳しくはないので、感動をうまく表せませんでした。なんて稚拙な文章なんだろう。でも、本当に良い演奏会だったんですよ~!!
拍手は鳴りやまず、「ブラボー」の声もあちこちから聞こえ、スタオベもちらほら見られました。
アンコール拍手も何回したでしょうか。4、5回はやったかも。アンコール演奏はなくても、なかなか拍手を止めることができませんでした。
指揮者のラドミル・エリシュカさんが何度もペコペコと頭を下げられていたのがちょっと可愛かったです(笑←名匠に対して……ああ、ごめんなさい)。
あと、エリシュカさんは演奏が終わるたびに指揮台の手すり(柵?)にもたれかかっていました。指揮者って基本的に立ちっぱなしなんですよね。エリシュカさんは1931年生まれだそうですが、年齢的にも大変そうです。
途中で休憩が入るとはいえ、2時間近くも演奏するわけですから、指揮者も楽器奏者も神経と体力の消耗が激しそう。。
というわけで、素敵な演奏のお礼と労いの意も込めて、たくさんの拍手をしてきました。
……実は、今日会場で頂いた今後の様々な演奏会のチラシの中に、気になるものがあって。今度の日曜日なんですが、チケットはまだ売れ残っているようだったのでネットで予約してしまいました(汗)。
欧米で有名なチェリストの公演です。日本での知名度は低いようで(ネットで一応調べてみたのですが、そんな感じでした)、売れ残っているみたいです。その方の九州公演は初めてということですし、滅多に聴ける方でもなさそうなので思い切って、というか、つい(苦笑)。
チェロ好きですし、私の好きな曲も演奏されるようなので、逃すのが惜しくて。こんなことってあるんですね。。
なんだか、忙しい週になってしまいました。サイトも更新したいし、植物園にバラを見に行きたいのに!!
はじめまして、九響でブログ検索していて見つけました、Masahikoといいます。 にわかに全国区的な人気を得ているエリシュカ氏ですけど、昨晩の演奏に立ち会えたのはまさに奇跡ですね。
昨晩の定期は僕も出かけたけど、今年度の定期の中で一番素晴らしい演奏でした
僕も一階後ろ側の真ん中で聴いてたけど、普段と違って客席もシーンとしていて緊張感に満ちてましたね。
昨晩の感想は僕もブログに書いています。ぜひ遊びに来てください。
>Masahikoさん
初めまして。
昨晩の演奏、本当に素晴らしかったですね!
Masahikoさんは毎回聴きに行かれてるのですね。私は「モルダウが聴きたくて」とただそれだけの理由でした。
一人でクラシックコンサートに行くのは昨日が初めてでした。今までは「聴きたいな」と思ってもなかなか重い腰を上げられずに逃してばかりいたのですが、今回思い切って行って本当に良かったです。
Masahikoさんも一階後ろの真ん中でしたか!もしかしたら近くの席だったかもしれませんね(^^)
まだ昨晩の余韻が体に染みついています。
もっともっといろんな音楽を生で聴いてみたいです。
僕のブログにもコメントありがとうございます 音楽の余韻がまだ残っているということは心の底から楽しまれた証しですね、生のオケの響きは一度はまるとクセになるくらい楽しいけど、昨晩の演奏を聴けたのは奇跡のようだなと思います。
仕事が早出、遅出、夜勤とある仕事なので時間を作るのが難しいけど、九響の定期は今年は5月以外は毎月出かけてます。僕は福岡には一昨年引っ越してきて、それから九響を聴き始めているけど、古くから聴いている人に言わせれば今は本当に充実しているそうですよ。
確かに、近くだったかもしれませんね。僕は毎回27列から30列くらいの真ん中付近に座ってますよ。
音楽ブログの他にもう一つ作ってます、こちらには趣味のテツタビやサイクリング、犬のことをいろいろ書いてます。こちらにも遊びに来てください
http://blog.livedoor.jp/un_journal/
>Masahikoさん
Masahikoさんは一昨年ですか。
充実している時期に聴くことができて嬉しいですね!
実は昨晩、急遽お誘いを受けてヴァイオリンの演奏会を聴きに行ってきたのですが、本当に生の演奏会は楽しいですね。一人部屋にこもってCDなどで聴くのもいいですが、大きなホールで多くの人と感動を共有できる喜びもまた格別です。音だけでなく、空間も味わうことができて。
私は時間はあるのですがお金がないので(苦笑)、お財布と相談しながら九響も含めいろんな演奏会を楽しみたいと思います(^^)
もう一つのブログにもお邪魔させていただきますね!!