1月の鑑賞作品はDVDも含め、12本となりました。一月に見た数としては過去最高?かもしれません。
基本的にかなり感銘を受けた作品しか感想は書かないのですが、見っ放しにしておくのももったいないので、感じたことを少しでも言葉に記しておこうかと思い、書いてみました。
ちょっと長いですが、よろしければどうぞ。愚痴が多めです。。
個別に感想を書いてあるもの(かなり感動した作品)は、タイトルに感想エントリへのリンクを貼っています。
2011年1月鑑賞作品リスト。鑑賞順です。
『息もできない』(DVD)
『母なる証明』(DVD)
『悪人』(再映:二回目鑑賞)
『金正日花/キムジョンギリア』
『犬とあなたの物語』
『クリスマス・ストーリー』
『スプリングフィーバー』
『その街のこども 劇場版』
『白夜行』
『相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』
『7級公務員』
『モンガに散る』
※ ※ ※
『母なる証明』 (2009年/韓国/129分)公式サイト
DVD鑑賞。
殺人事件の容疑者となった息子を救うため、犯人捜しに奮闘する母の物語。母をキム・ヘジャが、知的障害のある息子をウォンビンが演じています。
劇場公開されたときから気になっていたのですが、DVDでやっと見ることができました。
悪くもないけど、良くもなく……というのが正直な感想です。
タイトルにもあるように「母」に注視してしまいがちですが、私はウォンビンの演技がとても気になりました。キム・ヘジャより彼をもっと見たかったなあと、鑑賞後に思ったのは、まずそのことでした。
母の狂気とでも言うのか、親子愛を超えたところにある深くおぞましいものにゾッとしました。
犯人探しの結末がどうなるのか、ミステリーとしても楽しめる作品ではありました。
『金正日花/キムジョンギリア』 (2009年/アメリカ・韓国・フランス/75分) 公式サイト
「リアル!未公開映画祭」で鑑賞しました。
脱北者のインタビューを中心に、北朝鮮の実態に迫るドキュメンタリー映画です。
脱北者へのインタビューでは、強制収容所での出来事や脱北法などの話が語られていましたが、ほとんどが昨年見た映画(『クロッシング』 『豆満江』)で描かれていたことと重複しており、情報の新しさはあまり感じられませんでした。映画としてはこれが限界なのかな、とも思いましたが……。
またインタビュー映像だけではなく、北朝鮮のニュース映像(軍隊の行進やマスゲームなど)、プロパガンダ唱歌や映画の映像に加え、北朝鮮民軍の制服を着た1人の女性が踊るダンス(北朝鮮に住む人々の苦痛を表現している?)も挿入されています。
ダンスは最初見たときは戸惑いましたが、その不気味さが徐々に北朝鮮(国家としての)へのイメージと重なっていきます。
プロパガンダ映像に関しては、ただただ絶句。正直、このまま見続けたらどうにかなってしまうんじゃないかと、一瞬ですがヒヤリとしました。
ただ、全体的に作りというか表現法がださい(北朝鮮テイストとでも言うか)印象を受けました。あえてそのような表現にしたのか、その辺りはよくわかりませんが、ちょっと眠気に誘われたのも事実。
この方法が良かったのか悪かったのか、わかりません。
日本人としては、北朝鮮と日本との関係にも注目せねばなりません。
日本で北朝鮮を語るときは大抵が拉致関連ですが、この作品では北朝鮮建国の歴史を辿る、その一番最初に日本が出てきます。日本による朝鮮半島植民地化は、北朝鮮の歴史を語る上で欠かせないんですね。
さらに、この作品のタイトルである「金正日(キムジョンギリア)」という花(もちろん金正日を讃えるために作られた花)は、日本人が献上したものだそうです。
主眼は北朝鮮の現体制の実情をあぶり出すことにあり、日本について多くが語られるわけではありませんが、北朝鮮の歴史における日本の関わりについて、私たちはもっと勉強せねばならないと思わされました。
『犬とあなたの物語 いぬのえいが』 (2011年/日本/88分)公式サイト
「いぬのえいが」第2弾。前作は大ヒットしたらしいのですが、聞いたことありませんでした(笑)。
試写会が当たったので行ってきたのですが、まあまあといったところ。テレビでも十分だと思います。
メインは大森南朋・松島菜々子主演の「犬の名前」という物語ですが、イマイチでした。前半のコメディ短編集で温まった会場が見事に冷めていくのがわかりました。
そのコメディ短編ですが、特に中尾彬主演の「あきら!」で爆笑してしまいました。他に、生瀬勝久が走る犬の姿を写真に収めようと奮闘する愛犬家を演じた話も面白かったです。
まあ、お金を出して映画館で見るほどではないです……。
『クリスマス・ストーリー』 (2008年/フランス/150分)公式サイト
こちらはカトリーヌ・ドヌーブ主演のフランス映画。
クリスマスに起きた、ある家族の悲喜劇を描いています。家族の物語ということで見に行ったのですが(「家族」は昨年からの私のテーマです)、どうも私には合いませんでした。しかも150分と長く、集中して見ることができませんでした。
次男役を演じたマチュー・アマルリックが好みのタイプで(笑)、彼の言動にいちいち注目してしまいました。
ラストは夢オチ? と思ったのですが、そうのような解釈は見かけないので、私の勘違いのようです。
もう一度見れば、何か違う感想を得られるかなあとは思うのですが、どうでしょうか。。
『スプリング・フィーバー』 (2009年/中国・フランス/115分)公式サイト
中国電影局より5年間の映画製作・上映禁止処分を受けた監督ロウ・イエが処分を無視して、ゲリラ的に撮影を敢行したという作品。
その経緯と評判に惹かれて見に行ったのですが、これといって感じるものはなく。
主人公(男)と不倫相手(男)、主人公の妻、妻に夫の素行調査を頼まれた興信所の男、その男の恋人(女)、という複雑な恋愛関係。それぞれが欲望のままに生き、傷ついていく様が淡々と描かれます。
セックスシーンもありのままで、まあ……ドキッとします。男性同士の性行為を映像で見る機会というのはなかなかないので。
この作品を見ながら、ふと中島みゆきの『私たちは春の中で』を思い出しました。「ああ、春はあやまちの源」という、あの曲です。
『スプリング・フィーバー』(春の嵐)というタイトルで思い出してしまっただけなんですが、なんとなく、春の怖さを思ったのでした。
これも、もう一回見てみたいな、と思います。目に見えない空気を掴もうとするような、そんな感覚だったので……。
『白夜行』 (2011年/日本/149分)公式サイト
主演の堀北真希による舞台挨拶つきの試写会で鑑賞。生の堀北真希は普通の女の子でした。
東野圭吾原作の同名タイトルの映画化。綾瀬はるか、山田孝之、武田鉄也という豪華キャストでドラマ化もされていましたね(ちらちら見ていた)。今回のキャストは堀北真希、高良健吾、船越英一郎ですが。。
出番の少ない高良健吾はともかく、堀北、船越の二人は少し力不足だったかなあと。頑張っているのは痛いほど伝わってきたのですが。。
個人的には脇の俳優さんに魅力を感じました。特に、亮司(高良)の少年時代を演じた今井悠貴と、雪穂(堀北)の友人・川島を演じた緑友利恵が目を引きました。終盤の今井くんの演技は圧巻です。
この作品のストーリーははっきり言うと、好きではありません。
なぜ主人公の少年少女にこれほどの傷と罪を背負わせてしまったのか、納得ができないんです。説得しうる力がこの作品にはなかったのか、はたまた私に読み取る力がなかったのか、まあどちらでもいいのですが、とにかく好きになれないんです。
無駄に悲劇が多いように感じました。すべての悲劇が必要だったのか、私は必要ではなかったんじゃないかと思うんです。
ちょっと、生理的嫌悪もあります。女性がことごとく被害にあうので、性犯罪の被害に。
ただ、ストーリー以外の部分では惹かれるものがありました。特に昭和を描いた前半です(昭和55年頃~)。
決してノスタルジーなどではない、昭和の影ともいえる?(私は昭和生まれですが昭和人間ではないので、断言できませんが)映像がとても良かったです。“川の向こう”と言われるスラムや、昭和の女子学生たちの姿など、リアルすぎて、あの時代からタイムスリップしてきたんじゃないかと思ったほどです。
それだけでも見る価値はあるんじゃないかと、こっそり思ってしまったのですが、昭和を知らない私が言うことなので信用しないでください。
何の期待もせずに見に行ったのですが、思っていたよりずっと丁寧にしっかりと作られていて、映画として楽しめました。内容はしんどいですが。
原作は未読で、今後も読むつもりはありません。東野圭吾は一作だけ読みましたが、印象があまりよくなかったので、このまま読まず嫌いを通すつもり(笑)。
『相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』 (2010年/日本/119分)公式サイト
これはドラマが好きなので見に行きました(好きですけど、ファンではないです)。
今作はレギュラーメンバーより、ゲストのほうが輝いていました。個人的にツボだったのは、小澤征悦と國村隼。
小澤さんは出番は決して多くありませんが、いい印象を残していました。國村隼さんは貫禄というか、いるだけで画面が引き締まります。終盤のサングラス姿もかっちょいい。
レギュラーの見所は序盤に固まっていたような。捜査一係の三人は存在感なかったなあ。。
内容は、少しごちゃごちゃしているというか、話を広げすぎて焦点がぼやけてしまったような印象を受けました。テレビのほうでは小さいながらも濃厚な物語を作っているだけに、物足りなかったです。
なんというか、普通に面白いだけの映画でした。それなりに楽しめたからいいんですけど……。
『7級公務員』 (2010年/韓国/112分) 公式サイト
韓流ドラマファンの母と鑑賞。
想像以上に笑えるコメディで、同じ娯楽映画としては上の『相棒』よりこちらのほうが楽しめました。
韓流ドラマの笑いが好きな人は十分楽しめることかと思います。韓流ファンでなくても、気分よく笑いたい方にお勧め。
ギャグもラブシーンも遠慮なくやってしまうところが、いいですね~。韓国のこういうとこ好きです。
勢いがあるので、突っ込みどころは満載ですが気になりません。むしろ、気にしたら負け。笑ったもん勝ち!
キム・ハヌルの体を張ったアクションと、カン・ジファンのマザコンだめ男っぷりも必見。特にカン・ジファンは良かったです。
後に残るのは「面白かったー!」という満足感だけですが、それで十分です!
『モンガに散る』 (2010年/台湾/141分) 公式サイト
評判の良さに惹かれて見にいったのですけど、台湾の街並み(映像)と俳優以外に魅力を感じることはできませんでした。
青春映画と謳っているのですが、舞台が暴力団のような組織なので、とにかく血が流れる流れる。
意図はないのかもしれませんが、私には主人公たちの暴力にまみれた青春を美化しているようにも感じられ、好きになれませんでした。音楽など演出が派手で。特にラストの血飛沫が桜に見える、というのはやりすぎじゃないかと。
その桜、主人公が日本に行って桜を見るという夢を持っているので出てくるのですが、このエピに必然性が感じられませんでした。これと絡む父親のエピソードも。途中でオチが読めるし。
提灯の明かりが揺れるモンガの猥雑な街並みは魅力的で、また俳優も個性的な人ばかりで演技も見応えあったのですが、いろいろと気になってしまって、純粋に楽しむことができませんでした。
嫌いではないんですけど……。
※
というわけで、1月に見た作品をざっと振り返ってみました。
個別に感想を書かなかった作品ばかりなので、愚痴が多いですが、あしからず。。
今月の1本を選ぶとしたら、『その街のこども』です、やはり! 今年ベスト1になるんじゃないかと思うくらい、本当に素晴らしかったです。
掘り出し物は『白夜行』と『7級公務員』。
最近、堀北真希が妙に色っぽくなっていて、気になっています。この映画で悪女(というより悪魔に近いですが)を演じて何か変わった? もう一度雪穂を演じてほしいなあ、なんて。
2月は少し本数を減らす予定。。いい映画に出会えますように。
なんたる文字数。 疲れた~。
わたしも小学生から中学生は映画少年(映画小僧)でした。
ヌーヴェル・ヴァーグにショックを受けたものです。 古いですね。
イタリア映画も好きでした。 アメリカ映画は、なんだかなぁ~、でした。
最近は、中国映画とかイラン映画が我が家では人気でした。
>iwamotoさん
iwamotoさんも映画お好きなんですか!私も中学生の頃から見始めましたが、専ら米国映画ばかりで、最近になってやっと他地域の作品も見るようになりました。
映画の世界も奥が深くて、ついていけないです。自分のペースでのんびり楽しんでます^^
長すぎてすみません(^_^;)