2011年5月に鑑賞した映画

5月はDVD4本と劇場3本、計7本の映画を鑑賞しました。
( )内は個人的な満足度。★5で満点。

鑑賞順に。タイトルにリンクが貼ってあるものは、すでに感想エントリーを書いています。

※  ※  ※

『信さん・炭鉱町のセレナーデ』 (★★★★)
『ブルーバレンタイン』 (★★★★)
『誰も知らない Nobody Knows』 (★★★★)
『歩いても歩いても』 (★★★)
『めぐりあう時間たち』 (★★★★★)
『ソウル・キッチン』 (★★)
『八日目の蝉』 (★★★)

九州新幹線全線開通を題材にした映画『奇跡』に向けて、是枝裕和監督の2作品を予習で鑑賞しました。

『誰も知らない Nobody Knows』 (★★★★) 公式サイト 
主役は父親が皆別々の子ども4人。母親に捨てられ、4人で生活する彼らの日々を淡々と描きます。

『誰も知らない』というタイトルは皮肉で、実際には「皆(大人たち)が知らないフリをしている」ということ。
もしこの子たちを見かけたら、「あなたならどうする?」という問いを突きつけられているようでした。
鑑賞中は途中から、事件が明るみになって、大人の介入による(一応の)決着がつくラストを望んでいました。鑑賞後にモヤモヤが残るのが嫌だったからです。しかし実際は、彼らの生活はいろいろな問題を残しながらもなお続いていきます。
この問題を忘れないようにするためのラストかな、と思いました。

この作品、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で最年少で最優秀主演男優賞を獲得したことで話題になりましたが、柳楽優弥だけでなく、子ども達の演技は4人とも素晴らしかったです。
特に長女を演じた北浦愛の、母親に対する複雑な感情を込めた静かな演技に惹かれました。
次男(木村飛影)の奔放な演技も必見です。

※5月17日、DVD鑑賞。

『歩いても 歩いても』 (★★★) 公式サイト
長男の命日に、久しぶりに両親の元に集まった家族の一日を描いたホームドラマ。
関係がうまくいってるのかいってないのか、本音と建前を行ったり来たり。
すれ違い、相手へのわだかまりを持ったまま、それでも付き合い続けていかなければならない「家族」という関係の悲しみが漂っていました。帰る場所がある、という安心感もないわけではないんですけどね。
映像と音楽は爽やかだけど、内容は結構きついというか、チクチク痛いです。
樹木希林演じる母親の本音が見えた瞬間が怖かった。

※5月19日、DVD鑑賞。

『めぐりあう時間たち』 (★★★★★)
私の人生の1本。久しぶりに見たくなって借りました。
何度見ても心も体も揺さぶられます。

※5月19日、DVD鑑賞。

『ソウル・キッチン』 (★★) 公式サイト
「ソウル・キッチン」という大衆食堂を舞台にしたバタバタコメディ。
評判の良さを聞いて鑑賞しましたが、私には合いませんでした。
ノリのいい音楽に反してテンポが悪いのと、主役の「ソウル・キッチン」に対する愛がイマイチ伝わってこなかったのが残念。
ラスト、主人公の恋人の扱いも不満。

※5月25日、ソラリアシネマで鑑賞。

『八日目の蝉』 (★★★) 公式サイト 
原作を先に読んだのは失敗だったかも……。原作にあって、映画で描かれてないシーンが多く、それが気になって集中できませんでした。説明不足と感じるばかりだったし。映画を見てから読めばよかったかなあと後悔。
期待していた小豆島のシーンも、ただの観光ビデオのようになっていたのが残念。

ただ、良かったと思う点もいくつか。
希和子の狂気と身勝手さは原作を読んだときには感じなかった部分でした。
冒頭の裁判シーンでの永作博美が凄く、あの表情を見て「この女(希和子)あかんわ」と思いました。原作を読んだ時と違って、最後まで一度も彼女に共感できなかったし、彼女と薫の母子愛にも何も感じませんでした。
そして、色気が全くない点。
希和子の不倫相手は印象に残らないさえないオヤジだし、恵理菜の相手はストーカー呼ばわりされるようなキモい男(劇団ひとり!)。不倫のバカバカしさとか気持ち悪さが伝わってきて、その点は映像化ならではだったかも。
私は色気のある男を想定して読んでいたので(苦笑)。

主役の2人はもちろん良かったのですが、脇役では小池栄子、風吹ジュン、市川美和子が特に印象に残りました。
小池栄子いいですね。彼女、グラビアアイドルで有名になりましたけど、もともと女優を目指してたそうで。これからも期待。
劇団ひとりはいかにもキモいオッサンって感じが良かったです。

※5月27日、UCキャナルシティで鑑賞。

以上、5月に鑑賞した映画の感想でした。
DVDのほうが多くなりましたが、ほとんどが良い作品で、なかなか充実した1カ月でした。

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