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久しぶりにジュンク堂に行ったら、荒井良二さんの新作が出ていたので購入しました。
『わらうほし』と『イノチダモン』の2冊。
どちらも今年出版された作品のようです。
荒井さんの絵本は毎年1冊、2冊くらい購入してます。新作のチェックはしているわけではなく、ふらっとジュンク堂に行った時に絵本コーナーをのぞいて、新しいのが出てたら買う、という感じです。
『わらうほし』は
わらう ほしの わらう やまです。
あさが きただけで
わらう やまです。
という一文から始まる絵本で、「わらう(笑う)ほし(星)」の一日をあたたかい言葉と色彩で描いています。
一番気に入っているのは「おとな」のシーン。働いているおとなが夕焼けを見て笑顔になる、素晴らしいワンシーンです。読み終えた後、明日もがんばろうと元気をもらえます。
『イノチダモン』は表紙を見ても分かる通り、「命のはじまり」を刺激的に描いたインパクトのある作品でした。
大人向けですね。作者の意図はさておき、受精卵や出産を思わせる絵と言葉はドキッとします。
また、荒井さんの作品はかなり細かく描き込んであって、ぱらっとめくっただけでは気付かないことも多くて、これは2回目の読書で気付いたのですが、誕生だけでなく死(戦争)も描いています。
1回目で気付かなかった私もあれですが、これには驚きました。
全体的にトーンが暗いのには、ちゃんと意味があったんですね。
『わらうほし』が荒井さんの「陽」なら、『イノチダモン』は「陰」といったところ。
どちらも荒井さんの魅力が詰まっています。
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絵本を買ったついでにネットで荒井さんのことを調べていたら、なんと糸井重里さん主宰のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」とのコラボで、荒井さんの絵がカバーになった2015年の手帳が売られていることを知りました。
ショックです。知ってたら買ったのに。。。
まあ、カバー単体でも売っているので、これから買うつもりです。文庫本サイズということなので、私の手帳に合わなくても本に使えますし。
このカバーに関連して、荒井さんへのインタビューも掲載されていました。
ちょっと気になったところを引用すると
どんなに時代が変わっても人間って、やっぱり朝起きて朝ご飯を食べて‥‥っていう生活は変わらないんじゃないかな、と思いながら
今回買った『わらうほし』もそうですが、『あさになったので まどをあけますよ』など、荒井さんの作品の中で「朝」が重要なキーワードになっている理由が少しわかったような気がしました。
それから、「芸術」について語ったくだり。
たとえば、美術館にあるものだけがアートとは限らないでしょ。
「アートは美術館に行けばあるもの」って定義してしまうと、それはそれでものすごく閉じてしまうことでもあるし。―― アートは自然の中とか、いろんなところにあるものなんでしょうか。
自然に錆びたものとか朽ちたものをカッコいいと思うことはよくあります。
でも、
「これを作品にするには、どうすればいいのか」
「どうしたらアートだって、みんなが頷いてくれるのか?」
ということを考える人がアーティストなんだと思うんです。
これ、当然ながら写真にも通じる考えですよね。
何でもない日常のワンシーンを、どのように撮り、「作品」に仕上げるのか。
ただ撮るだけなら誰でもできますからね。どうやって自分だけの写真を作るのか、それが大事。
これは一眼レフを買う前からずっと課題にしてきたことですが、今後も、極端な話死ぬまでずっと、自分に課し続けていきたいです。
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しつこいですが、手帳の件はほんとにショックでした。。
好きなものはこまめにチェックしておかないとダメですね(泣)。