ヴァディム・ホロデンコ(九州交響楽団 第329回定期演奏会)

最近気になる人。

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11月29日に、九州交響楽団の第329回定期演奏会に行ってきました。
今年2回目の九響定期、演奏曲目はラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』、プロコフィエフの『ロメオとジュリエット』。
どちらも全く知らない曲ではないし、久しぶりに音楽に身をゆだねたいなあと思い、行ってきました。

前半のラフマニノフでピアノを演奏したのが、表題のヴァディム・ホロデンコです。
ウクライナ出身の27歳。2010年に仙台国際音楽コンクール、2011年にシューベルト国際ピアノコンクール、そして今年2013年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝、という実績を持つピアニストです。
私はこれらのコンクールの位置づけもよくわからないので何とも言えないのですが、これからますます活躍が期待されるであろうピアニストということは間違いないのではないかと思います。

そんな彼のピアノに、先日の演奏会ですっかり虜になってしまいました。
ピアノの音色は嫌いではないですが、そこまで好きでもなくて、ピアノの演奏に感動することはあまりないのですが(感動できるほど聴いてないというのもありますが…というかむしろそっちのほうが原因ですが)、先日の演奏会では、彼がピアノを弾き始めた途端に彼の世界に引き込まれ、最後まで釘付けとなりました。(ラフマニノフはオケの音が耳に入ってこないくらいで…それが良かったのかどうかは…)
さらに、アンコールで弾いてくれたリストの『超絶技巧練習曲第9番』がとても素晴らしかった!! 直前のラフマニノフを忘れてしまうほどでした。心が体から離れ、夢の中というか、どこか遠くの世界へと運ばれていくような、不思議で、それでいてとても心地よい、優しさ溢れる演奏で。
感動のあまり、演奏会終了後に勢いで、ホールで販売されてた彼のCDを2枚買ってしまったほどです。こんなことは滅多にありません。
その購入したアルバムに入っている演奏曲も知っている曲はわずか1曲だけでしたが、やはり彼のピアノの音色は私に合うようで、どの曲も違和感なく聴くことができました。演奏会以降、寝る時に聴く音楽は彼のアルバムになっています。

私は小学1年から中学卒業までの9年間、ピアノを学んでいました。
今は楽譜もまともに読めませんが、その頃からある程度クラシックを聴いていたこともあって、今でも機会があれば演奏会に足を運んだり、CDやネットでクラシック音楽を聴くなどしています。
しかし、漠然と聴くばかりで、よほど好きな曲でない限り、曲のタイトルや作曲者の名前も覚えずに聴いているような状況がずっと続いていました。少しずつ知識も増やさなきゃなあ、と思いながらもできずにいて、ただ聴くだけの日々。
そんな中、ホロデンコとの出会いによって、ちょっと状況が変わりつつあります。
彼のアルバムや、Youtubeにあった演奏動画を見て、「この曲いいなあ」とお気に入りの楽曲も増えてきて、少しずつ曲名や作曲者の名前も覚えてきました。(まだわずかですが)
コアとなる人がいて、そこから広げていくという形で物を覚えていくのが、私には合っているようです。今まではそのコアとなるものがなかったので、漠然としか聴けなかったんですね。
彼のおかげ(?)で知った曲の中で最近特に気に入っているのが、購入したCDに入っていたベートーヴェンの『ピアノソナタ第23番』と、ヴァン・クライバーンのファイナルで演奏したプロコフィエフ『ピアノ協奏曲第3番』。
ベートーヴェンのほうは特に第3楽章が好きです。プロコフィエフは第1楽章。めちゃくちゃかっこいい!

ホロデンコは九響の演奏会の1週間前に、東京の浜離宮朝日ホールでもリサイタルを行い、そちらではリストの『超絶技巧練習曲』全12曲の演奏を行ったようです。(聴きたかった!!)
リストはヴァン・クライバーンでも演奏し、その時の演奏を収めたアルバムが発売されているようなので、これはゲットしなければ。
さらに、いろいろ調べている中で知ったのですが、彼は一昨年と昨年も九響との共演のため福岡に来ていたようです。うーん、もっと早く出会っていれば…。

この動画はヴァン・クライバーンの予選での演奏です。彼の音色の美しさがよくわかるかなあ、と思います。うっとりしてしまいます。。

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そんなわけで、音楽>映画になりつつあるこの頃。(映画館にはアジアフォーカス以来行ってない…)
欲しいCDも増えてきたので、出費が増えそうですが、そこはお財布と相談しながら。今年は九響の演奏会にも全然行けなかったので、来年はもうちょっと足を運びたいです。
映画の方は…DVDで過去の名作鑑賞をしようかなあと考えているところです。
最近、嗜好がまたちょっと変わってきたような。まあ、その時に楽しみたいものを楽しむのがモットーなので、来年はこんな感じでいろいろ楽しむことになりそうです。
例年のように、今年も近いうちに1年のまとめを書きたいと思います。

九州交響楽団 第329回定期演奏会
2013年11月29日(金)/アクロス福岡シンフォニーホール
指揮:アラン・ブリバエフ
ピアノ:ヴァディム・ホロデンコ
管弦楽:九州交響楽団
コンサートマスター:扇谷泰朋

【曲目】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30
(休憩)
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より

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