スタッフ・ベンダ・ビリリ コンサート・ツアー2010

車椅子に乗ったコンゴのストリートミュージシャンスタッフ・ベンダ・ビリリのコンサートに行ってきました!

素晴らしい音楽とパフォーマンスに、踊って(小声で)叫んで手を叩いての楽しい2時間でした!!

スタッフ・ベンダ・ビリリについてはこちらのサイトから引用しますと、

小児麻痺で下半身不随となった車椅子ミュージシャンによるバンドです。手動の三輪車型の車椅子に乗る4人のシンガー兼ギタリストたちを中心に、松葉杖のシンガー、メンバーに拾われたストリート・チルドレンなど、8人のミュージシャンから編成されています。”ベンダ・ビリリ”とは「外見を剥ぎとれ」という意味で、つまり「内面(の精神)を見よ」ということ。「外見は不自由でも精神は最大に自由なんだ」と語っているのです。こんな”哲学的”バンド名を自分たちで付けて、日々路上で演奏し、段ボールで生活をしていました。

同サイトによると、彼らの音楽はコンゴ大衆音楽「コンゴリーズ・ルンバ」がベースになっているそうです。また、コンサートで売られていたパンフレットによると、彼らはジェイムズ・ブラウンの影響も受けいるそうです。
その逸話というのが興味深いです。

1974年に「キンシャサの奇跡」と呼ばれる、モハメド・アリとジョージ・フォアマンの試合がザイール(現・コンゴ民主共和国)の首都キンシャサでありました。そのアリの試合の前に、ジェイムズ・ブラウンのライブが行われたそうなんです。
当時のザイール大統領はモブツ。彼の時代には、身障者はロビー団体のようなものだったらしく、そのジェイムズ・ブラウンのライブでは身障者用に特別席が設けられたそうです。そこにベンダ・ビリリのメンバーも招待されたというんですね。そこで、彼らはジェイムズ・ブラウンの音楽に触れたのだそうです。

私が今回のコンサートで一番楽しみにしていた「JE T’AIME」(ジュテーム)という曲には、ジェイムズ・ブラウンの曲の有名なフレーズに似た箇所があるんです。気になっていたのですが、これもJBの影響なのかなあ。
とてもかっこいい曲です。おすすめです!

さて、前置きが長くなりましたが、コンサートの話を。
コンサートが行われたのは、いつもはクラシックコンサートで行くことの多いアクロス福岡のシンフォニーホール。
天井からシャンデリアがぶら下がり、格式ばった雰囲気のあるアクロスのホールで一体どんなアフリカの音楽が聴けるのだろうかと、会場入りする前は不安と期待とが入り混じっていました。

お客さんの入りは上々。さすがに前日に同じ会場で行われた九州交響楽団の定期演奏会とは客層も違いました(当たり前だ)。
初めに、福岡では30日に公開される、ベンダ・ビリリのドキュメンタリー映画の予告編が、舞台奥に用意されたスクリーンに流れました。
その後、スタッフ(マネージャー?)とともにメンバーが登場。軽い挨拶の後、すぐに演奏が始まりました。

やはり、ノリのいい音楽を聴くには窮屈すぎるアクロスのホール。
ベンダ・ビリリの(あるいはアフリカンミュージックの?)ファンらしき人たちは、初めから音楽に合わせて立ち上がって踊っていたのですが、他の人はじっと座ったまま。
曲が終わると手を挙げて拍手したり、声を出したりはしていたのですが、なかなか乗ることができません。

何曲目だったか忘れたのですが、ダンス担当のジュナナさんのダンスが始まり、一番前の席のお客さんが彼に合わせて踊り始めてから変わりました。
そのお客さんもノリの悪い他の観客にしびれを切らしたのか(そんな風に見えた)、もっと盛り上がるよう促しながら踊り続け、前方の観客席からウェーブのようにお客さんが立ち上がっていきました。

ここからガラっとホールの空気も変わりました。
後は音楽に任せて踊るだけ。
私は高校の体育祭でフォークダンスを踊って以来のダンスでした(笑)。といっても、ただ体を上下左右に動かしてただけですけど。
前方の客席は、好きな方が集まっていたようで、皆さんとてもノリが良くて、慣れていました。通路で踊る方もいて、腰の振り方もお上手で!
反対に、私のいた後方の席は大人しいお客さんが多かったです。

私の周囲もなかなか立ち上がらないので、立つときは少し勇気が要りました(笑)。でも同じくお一人様だった隣のスーツ姿の中年男性が立ち上がって、「よし!」と思い切って立ちました。
実はそれまで体を動かしたくてウズウズしていたので、立った時はすごくスカッとしました。

彼らの音楽は、路上生活やポリオ(小児麻痺)、ギャングといった、貧困生活の負の面を取り上げています。
しかし、苦しみを訴える歌詞ではなく、そこからどのように這い上がっていくかを描いています。
「POLIO」(ポリオ)では、メンバー自身がそうであったように、予防接種を受けず病気になってしまう子供たちを見捨てないよう、予防接種をきちんと受けさせるよう、親に向けてメッセージを送っています。
「KULUNA」(クルナ~クルナ団に入るな)では、悪いことをするな、ギャングに入るなという子供たちへの強い思いが込められています。
音楽自体もとにかくかっこよくて楽しい、いますぐに踊りたくなる音楽ばかり。
とても前向きで、パワーをもらえます。

音楽を体で感じ、歌詞を心に深く刻む。二重の感動がありました。

メンバーの中で特に目を引いたのが、空き缶で作った一弦の楽器を巧みに操るロジェくんとダンサーのジュナナさん。
ロジェくんの楽器「サトンゲ」はとても魅力的な音色です。一弦でどうやったらあんなメロディが奏でられるのか不思議でなりません! とにかく驚きでした。
また、彼はボーカルもしていて、ソロで歌うパートもあったのですが、声もとてもいいんです。低音で、静かな力強さがありました。
メンバーの中では最年少のようです。ファッションにも気を使っているらしく、お洒落さんなことがすぐにわかりました。

ダンサーのジュナナさんは、ポリオの症状が一番重い方なんですが、時には車椅子から降りて激しく踊る姿はかっこよかったです。
終了後のサイン会では、笑顔で力強く私の手を握ってくださいました。ブンブンブン!って感じ(笑)。
なにか仰っていたのですが、聞き取れず残念。。分厚くてあたたかい手でした。とても嬉しかったです♪

20101013bilili
パンフレットと、メンバー8人分のサイン入りのCD。
CDはコンサートの最中に買おうと決めました。いま節約中なんだけど、もう勢いで! CDとパンフレット、どちらにサインしてもらおうか迷って、CDに決めました。
CDを買ったのも久しぶりです。めったに買わないので(ご存知のように音楽はYouTubeで済ませているので、汗)。
いま、そのCDを聴きながら書いてます。生は空気も味わうものだけど、CDだと音楽に集中して聴けますね!

……というわけで、とっても楽しいスタッフ・ベンダ・ビリリの2時間でした!
コンサートはいつもクラシックばかりで、こういうのは初めてでしたが、いいものですね。
ダンスが上手な人も、ぎこちなく体を揺らす人も、ン十年前の若かりし頃に思いを馳せてそうなスーツ姿の男性も、いろんなお客さんの踊る姿を見て、それも感動でした。
音楽には国境も性別も年齢も、ファンもプロも素人もないなあ、なんて。
昨日は九響の定期演奏会でしたが(こちらも感想書けたら書きます)、二日続けての音楽の夜。異なるジャンルの、しかし同じ音楽に触れて、音楽の素晴らしさを改めて感じた二日間でした。

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