九州交響楽団 第302回定期演奏会

21日に行われた九州交響楽団の第302回定期演奏会に行ってきました。

今回は指揮者に、オーボエ奏者として名を馳せた宮本文昭さん、オーボエソリストには彼の愛弟子である荒絵理子(あら・えりこ)さん、ゲスト・コンサートマスターに矢部達哉さん(調べてみたところ宮本さんと活動を共にされてる方のよう)を迎えての演奏会でした。

演奏曲目は以下の通り。

リヒャルト・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」 作品20
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」

私が楽器の中で一番好きな音色はチェロなんですが、その次にオーボエが好きなんです。でも実はあまりソロの演奏を聴いたことがなくて(じゃあなんで好きなんだという感じですが、どこかで聴いた時に一目?惚れしてしまったのです)、今回はオーボエの音色をとても楽しみにしていました。

というわけで、いつも通り素人主観の感想です。

まずはシュトラウスの「ドン・ファン」。
初めて聴いた曲だったこともあって、正直もうどんな曲だったか覚えてないです(汗)。
宮本さんはどんな指揮をされるのだろうと思っていたら、とても情熱的で、ただただ圧倒されたのだけは覚えています。
宮本さんが指揮者だから、もちろん彼の指揮で演奏が動くのだけど、それに呼応するかのように演奏が宮本さんに乗り移っていって、音楽と一体化した指揮がとても感動的でした。

2曲目はメイン、モーツァルトの「オーボエ協奏曲」。
鮮やかな青のドレスで現れた荒さんは、もうとっても華奢!!「えー、こんな細い体で?」と思ってしまうほどでした。
この曲はまずオーケストラのパートから始まって、オーボエのソロが入るのは遅いです。その間の荒さんの様子を見ていたのですが、どこか緊張した面持ちでした。
その様子を見て、どんな音色になるんだろうと期待と不安が交錯していましたが、音色は彼女自身のようにとても可愛らしいものでした!
私が今まで聴いた数少ない(苦笑)オーボエの音色とは全く違うもので、とても驚きました。
いや、かなり「萌え~」ですよ(笑)。
そして、モーツァルト!
特に第1楽章の幸福に満ちたメロディーといったら! こういうのを夢見心地と言うのかな。そんな気分になれる、本当に素敵な楽章でした。

今回私が座っていた席は、前のほうの右側だったのですが、第1楽章が終わって第2楽章に入る前だったかな、宮本さんが荒さんに声を掛け、荒さんが笑顔で応えている姿を見ることができました。
宮本さんの表情は私からは伺うことはできませんでしたが、荒さんの表情から、宮本さんが励ましの言葉か何かをかけたんだろうなあというのは想像できました。
荒さんは演奏終了後、とてもホッとした表情をされていました。こちらまで彼女の緊張と解放が伝わってくるようでした。
精一杯やりきった!という彼女の表情は、見ていて嬉しかったし、応援したくなりますね。やっぱり観衆として、全力を尽くしてくれるというのは嬉しいですもんね。

前半はこの2曲で終了。
5ヶ月ぶりのアクロスでの演奏会。久しぶりに飲むお気に入りのコーヒーは相変わらず美味しかったです。
ただ、休憩時間は15分だと思っていて(実際は10分だった)少しのんびりし過ぎました。着席が後半開始ギリギリになってしまったのは、ちょっと反省。

後半はクラシックに馴染みのない方でも知っている、ベートーヴェンの「運命」。
とはいえ、私も「ジャジャジャジャーン」の部分くらいしか知らなかったです、実は(汗)。
今回初めて全部聴きましたが、迫力満点で華やかな演奏でした。
宮本さんも1曲目のシュトラウス以上に音楽が乗り移った指揮ぶり。彼の姿に呼応するようにどんどん熱を帯びていくコンマスの矢部さん、楽団の皆さんの演奏に、ただただ圧倒されました。

いや~、ひさしぶりのコンサートでしたが、とても楽しかったです。
もう一人で行くのにも慣れました(笑)。
お客さんは若い学生さん(らしきグループ)から、年配のカップルまで本当に様々。親子連れもいました。
普段音楽を楽しまれている方々が集まっているので、マナーで気になることはなかったですし、じっくり堪能できました。

ホールを出てから、他のお客さんの会話に耳を傾けるのも楽しいです。
中でも学生さんグループが興奮しながら話をしていたのが印象的でした。オケやってるのかなあ、なんて思いながら盗み聞きしてました(笑)。

次の定期演奏会は9月。私の好きなサン=サーンスの交響曲第3番です!
フィギュアスケートで使用されているのを聴いて一目惚れした楽曲です。もう今から興奮してます。
ジェレミー・アボットの全米選手権での演技を思い出し、泣いちゃうかもしれません(笑)。
楽しみです~!!

※  ※  ※

九州交響楽団 第302回定期演奏会
2010年7月21日(水)/アクロス福岡シンフォニーホール
指揮:宮本文昭
オーボエ:荒絵里子
管弦楽:九州交響楽団
ゲストコンサートマスター:矢部達哉

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