日常と非日常の間で

福岡は昨日今日と行楽日和でした。昨日は家でゴロゴロしていましたが、さすがに今日は太陽の光を浴びなきゃと思い、午後から用事もあったのでちょっと遠出。地下鉄に揺られて、西の方へと行ってきました。

※　　※　　※

この季節の夕陽を浴びながらの散歩は、気持ちいいですね。ひんやりとした風が、歩いてほんのり熱を浴びた体を冷やす。ちょっぴり肌寒いけど、その心地よさが癖になります。

住宅街を歩けば、民家の庭先にコスモス。先日まだコスモスを見ていないと書きましたが、やっと、今秋初のコスモスを見ることができました。観光名所の何万本というコスモス畑の華やかさには適いませんが、日が沈みかけ暗くなり始めた中に、ひっそりと佇むピンク色を見つけた時は嬉しかったです。
その他にも、今日は珍しい花も見かけました。ツバキです。
ツバキというと、1月、2月といった寒い時期に咲くイメージがとても強かったのですが、この季節から咲く種類も少なくないようです。私が見かけたのは、白斑系（赤い花弁に白の斑模様が入ったもの）でした。まさかツバキを拝めるとは。赤と白の花弁は、暗がりでも際立っていました。

その他にも黄色や淡い紫色の名前の知らない花々を見かけました。黄色の花のほうはおぼろげな記憶を頼りに検索してみましたが、どうも「ツワブキ」のような気がします。
「ツワブキ」、どこかで聞いた名前だなあと思って、さらに調べてみたら食材としても使われていることがわかりました。これです、私の記憶にあったのは。鹿児島に住む伯母がよくツワブキのお料理を作っていました。リンク先にも書かれていますが、九州産が多く、春先には九州の旅館などでよく出されるそうです。九州ならではの食材なのかな。
秋に咲くツバキも、ツワブキの花も、今日歩いていなければ当分知らなかったかも。嬉しい発見でした。

そして、この季節と言えば「紅葉」。小川の遊歩道沿いに連なる小さな桜の木も、葉が黄色く染まっていました。モミジも見かけましたが、こちらは緑から黄色へ移ろう最中といったところ。
道端には枯れ落ちている葉もたくさんありました。落ち葉を見ると、寂しいものが迫ってきますね。。

※　　※　　※

夕暮れ時の公園に響く少年たちの声。
陽が当たるようにと玄関先に並べられた、2足の白い運動靴。
ジャージ姿で愛犬と散歩する女性。
買い物袋をカゴに入れて颯爽と駆け抜ける自転車。

庭先に咲くコスモスさえ見ること、気付くことができなかった私の日常に対して、これらの風景は非日常のように感じました。

日常と非日常の間で。
わずかな時間でしたが、散歩しながら見た、感じたすべてに、忙殺される日々の中でぽっかり空いた心や頭がすうっと埋められていくようでした。

こういった些細な幸せを積み重ねることさえ忘れていた日々を送っていました。ちょっと体が重くても、わずかな時間でも、外の空気を吸う時間は作りたいものですね。