『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』

ドラマ版のファンである母と観に行ってきました。
ドラマは海外編のスペシャルしか見ておらず、原作は全くの未見である私も十分に楽しめました。できることならもう一回見たい!

以下、ネタバレ(今回はストーリー紹介は省きます。『のだめ』をご存じの方にしかわからないかも)。

漫画的な要素を多く含みながら全く違和感がなく(外国人キャラやその他諸々)、コミカルとシリアスの場面転換もとてもスムーズにできているように感じました。
CGの使い方も絶妙。強いて言うなら「変態の森」がやや長すぎたくらいかな。かめはめ波も「初共演」妄想チラシ撒きも良かったです。

外国人の主要キャラはほとんどが日本人の俳優さんが日本語で演じていたのですが、皆良かったです。
竹中直人だけは浮いていましたけど(笑)、ロシア人留学生・タチアナ役のベッキーとフランス人・フランク役のウエンツ瑛士、中国人ピアニスト・孫 Rui役の山田優などは良い配役だなあと思いました。
特にベッキーと山田優はほとんど違和感がありませんでした。
ベッキーなんて、私はアイスダンスのマリナ・アニシナ(ロシア出身。国籍はフランスでソルトレイク五輪の金メダリスト)を思い出してしまいました。メイクの感じとか似てるんですよね(異論は認めます!画像探してみた)。
ベッキーって確かお父さんがイギリス人で東欧系ではないだろうに、こんな雰囲気も出せるんですね。

山田優は黒髪の美しさとスタイルの良さとが、中国系の女優やモデルっぽい雰囲気を出していて良かったです。「こんな人いそう!」って思っちゃいます。
母親役の片桐はいりと似ても似つかないとこがまた何とも(笑)。でもはいりさんのステージママ良かったです。

あ、そうそう! ベッキーとウエンツは、のだめ(上野樹里)のカレーを食べた時の演技が必見です。あれはこの映画のベストパフォーマンス!!(笑)

そして音楽。クラシックに詳しくなくても楽しめる音楽の使い方ですよね。馴染みのある曲を使用しているし、馴染みがないものでも登場人物の心情にぴったりのメロディだったりするから、音楽がすんなり耳に入ってきます。

特に千秋(玉木宏)のリサイタルで演奏されたチャイコフスキー『序曲「1812年」』、バッハ『ピアノ協奏曲第1番ニ短調BWV1052』、チャイコフスキー『交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」』の流れ。
千秋とのだめの間にできつつあった溝が深くなっていく様子が見事に表現されていました。バッハで溝に大きな亀裂が入り、底に突き落とされ、「悲愴」はまさに闇の中。
のだめ役の上野樹里の演技も凄かったです。聴衆の熱狂の中で一人絶望にうちひしがれるのだめの心情をとても上手に演じていました。
千秋がバッハを自分で弾いちゃうのは「そりゃないよ」と私も思いました。うん、あれは辛い。。たぶん、他の人が弾くより辛いんじゃないかな。

観る前はいくらクラシック音楽がテーマとはいえ、演奏シーンはそんなに長くはないだろうと思っていたのですが(ドラマではどうだったんだろう)、メインの『序曲「1812年」』の演奏はじっくり聴かせてくれて嬉しかったです(省かれていた部分があったのかはちょっとわからないです)。
この曲については事前に少し調べたり聴いたりしていたのですが、大砲のシーンが出てきたときは「予習していて良かった!」と思いました。やっぱり、知らないと知っているのとでは違いますね。。

そうそう、重要な曲の演奏シーンでは千秋の声でちょこっと曲の解説が入るんですね! あれは素人の私にはとてもありがたかったです。
しかも玉木くんは美声ですし(笑)。あの声は音楽も邪魔しないし、いいですね。声って大事だなあ。

それから、演奏が始まる前(千秋がタクトを掲げるシーン)では本物のオーケストラ演奏会と同じ静けさ・空気が劇場(映画館)にも漂っていました。あれにはびっくり。演奏が終わった後は拍手したい気持ちに駆られましたし、クラシックに興味ない母も「クラシック聴きに行ってみたい」というほどでした。
あの雰囲気、本当に良かったです。ちゃんとクラシックの良さを伝えることに成功してる。

演技は玉木くんもとても良かったのですが、何といっても主演の上野樹里です。うまい、本当にうまい!!
あれだけ幅の広い役を見事に演じきっていました。コミカルとシリアス、過剰にやるべきところと引くところとをきちんと演じ分けて。
玉木くんのかっこよさが霞んでしまうほどでした(俳優さんでは玉木くんが目当てでしたけど、すっかり上野樹里に圧倒されてしまいました)。

彼女を初めて見たのはドラマ『ラストフレンズ』。あの時も性同一性障害の役を見事に演じていて、(演技に)感動したのを覚えています。
あの役をやって、この「のだめ」もこれだけできるなんて、なんて演技の幅が広いんだろう。
あまりドラマを見るほうではないので今の若手俳優さんの現状については詳しくないのですが、実力のある若手女優が出てきたんだなあと思いました。これからも良い役に巡り会ってほしいな。

……とまあ、特に印象に残った点を中心に書いてみました。
原作ファンでもドラマファンでもなく、少し玉木宏とクラシックが好きなだけの私でもとても楽しく観賞することができました。
オーケストラのシーンは音、映像ともスクリーンで観ると本当に迫力があります。この感動は映画館ならではです。

冒頭には千秋がウィーンの街をジョギングするシーンがあるのですが、そこでは名だたる音楽家の銅像を写し、ウィーンが音楽と共にある街なのだということを感じることができました。「ああ、この街に行ってみたい」と思わせる素敵なシーンでした。

エンドロール後には後編の予告編がありました。
笑い満載の前編とはうってかわって、シリアスな場面ばかりの予告でした。
のだめの初リサイタルシーンでは、のだめが紫のドレスを着ていました。少しだけしか写りませんでしたが、上野樹里、さすが女優さんですね。華がありました。楽しみです。

……そういえば、のだめが進級試験で演奏したモーツァルトの『トルコ行進曲』は随分癖があって私は馴染めなかったのですが、あれが「のだめ」なんでしょうか。母の話だと、のだめは元々楽譜はあまり読まないそうですし、のだめの自作曲も『トルコ行進曲』の弾き方に通じるモノがあったようにも感じたので、「これがのだめなのか」と何となく思ったのですが。
ここらへんはやはりドラマを最初から見ていないとわかりづらいところでした。
ドラマや原作を未見の者にも、ある程度のだめの背景が想像できるようなヒントがあったようには思いますが、人物相関などは、今回の映画に繋がるスペシャル版(先日TV放映があった)を観ていた方がいいかもしれません。

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