『サンドラの週末』

従業員のボーナス支給のため解雇を言い渡された一人の女性が、解雇撤回のため奮闘する姿を描く社会派ドラマ。

※  ※  ※

少しネタバレあり。

ストーリーはシネマトゥデイより。

体調が思わしくなく休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)は、復帰のめどが立った矢先の金曜日、ボーナス支給のため一人のクビを切らなくてはならないと解雇を通告される。ところが、同僚の計らいで週明けに職員たちが投票を行い、サンドラのためボーナス返上を受け入れる者が半分以上になればクビを回避できるという。その週末、月曜日の投票に向けサンドラは同僚たちの説得するため奔走するが……。

休職中の同僚の解雇orボーナスを社員に選択させるという、とんでもない話。。
さまざまな社会問題を浮き彫りにする作品で、見る人によって感じるところは違うだろうと思うのですが、私がこの作品から真っ先に感じたのは、生きること=人と関わること。
会社に残るため、同僚たちを説得しようと休日の家庭を一軒一軒まわるサンドラ。彼女が同僚たちの一言に一喜一憂するように、相手の言動一つで人は幸せを感じることもあれば、絶望も感じます。人と関わって生きるということは、相手の人生を背負うことでもあるんだと、突きつけられました。
そして浮かんだ言葉は「情けは人の為ならず」。
サンドラは、かつて自分が救った同僚に救われ、今回の件でサンドラを救った別の同僚は、サンドラに未来を救われました。
たった一つの言動が、相手の今を、自分の未来を変えていく。自分の日頃の行いを省みずにはいられませんでした。

もう一点、強く印象に残ったのは、自分の意志で決断することの大切さです。
我を通せと言うのではなく、何を優先するかという判断。
友情? 家族? お金? 自身の誇り?
人生は選択の連続、その中でどれだけ後悔を減らせるか。生きていくって本当に難しいなと、サンドラが同僚たちと言葉を交わすたびに思いました。

そんな中、サンドラの奔走する姿に感化され、人生において大きな決断をした同僚の女性(アンヌ)がいました。サンドラの解雇取り下げを支持したい自分の思いと、ボーナスを選ぶよう迫る夫の間で揺れていた彼女が下した決断に、私は涙がこぼれました。
そして、それまで同僚でしかなかった2人の女性が共に人生の岐路に立った時、そこに新しい関係(友情)が生まれたこと。そのことにも感動しました。
サンドラとアンヌ(&サンドラの夫)が車内のラジオから流れる歌に声を重ねるシーンは、とても美しく、忘れられないシーンの一つです。

果たして、サンドラの週末の努力はどのような結果をもたらしたのか。
結末は、これ以外にないと言っていい、素晴らしいラストだったと思います。良心を感じました。
映画が始まってからずっと鬱陶しく、重たかった夏の眩しい日差しが、最後には恋しくなります。

サンドラの週末_ポスター
『サンドラの週末』
原題:Deux jours, une nuit
英題:TWO DAYS, ONE NIGHT
2014年/ベルギー・フランス・イタリア/95分
監督・脚本: ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
キャスト:マリオン・コティヤール、ファブリツィオ・ロンジョーネ 他
(6月13日、KBCシネマにて鑑賞)

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